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ステージ衣装Update : 2014/05/29 Thu 00:43

いつもこのサイトをご覧頂いているリピータさんには説明無用ですが、僕はライブ演奏の時には、状況が許す限りアロハシャツを着ることにしています。状況が許さないことがあるような物云いですが、アロハシャツ自体がカジュアルなもので、かつては民度の低いジャンキーな服装であったという印象も人によってはあるので、そういう人が絡んでいるような場合は事前に察知してアロハシャツは着ないようにしています。たかがシャツなのですが、望まれないものを着て気まずい思いはしないほうが幸せですからね。

お付き合いのある人はご存知ですが、ライブに限らず夏場は毎日のようにアロハシャツを着ています。単に飽きが来ないで、着用も楽であるからです。暑いからといってTシャツを着ても、汗をかいた時の爽快さはアロハシャツとは比べ物になりません。(Tシャツはコットンで、アロハはレーヨンですから。)

じゃあ、普段着のアロハシャツをライブでも着ているのかというと、そうではありません。手持ち200着程のアロハシャツには、明確に普段使いと余所行き用があります。もちろん、ライブでは普段着使いのアロハシャツは着ません。変な話、たかがシャツですが、おしゃれさんを気取る人の安物のスーツより高い値段がします。

しかしながら、フォーマルな場所での演奏というものも少なく有りませんから、そこはそれ、上着+ネクタイ、あるいはスーツ着用、さらにはタキシード着用とTPOをわきまえているのは云うのまでも有りません。(さらに、聞いた話では、ハワイではフォーマルな席でもアロハシャツが重用されるらしいです。)

Robert Johnson

閑話休題、僕らが若い頃に較べて、僕の演奏する古いジャズ周辺のルーツ・ミュージックを演奏する若者が増えていると思います。驚くべきことに、彼らのほとんどはステージで帽子を被ります。屋内脱帽をマナーとして教育された僕ら以上の年代からするとかなりショッキングなのですが、ステージ衣装として考えれば演奏時の着帽も成立してしまうのでしょうね。昔からカントリー・ミュージックやブルーグラスではステージでのカウボーイハット着帽は当たり前ですし、誰が始めたか知りませんが、ディキシーランドのカンカン帽も定番です。

ただ、彼ら日本の若いミュージシャンが被る帽子は、パチモンとは言え、俗に言うソフト帽か、ハンチング帽がほとんどです。文化史上、ソフト帽は上着着用のスーツ姿で被らないと僕には違和感があります。カジュアルな格好でソフト帽はみっともないと感じます。あるいは、ハンチング帽を被った彼らはほとんどが上着を着ないでベスト姿です。これは音楽家の格好ではなく、街の労働者の格好です。世代が違うので、それがファッション的にかっこいいと感じているのかもしれませんが、僕には音楽家として大変みっともない姿に映ります。

もし、戦前風のファッションとしてソフト帽やハンチング帽をステージ衣装に取り入れているつもりなら、戦前の写真をいろいろ観察して、TPOを考えたほうがお洒落ではないでしょうか。

普段着使いの安物のアロハシャツをライブで着ない方が良いと思いますし、同じ理由で、スーツを着ていないのにソフト帽を被るのもやめたほうが良いでしょう。ハレとケを区別するのが芸能だと考えています。

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