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フレット交換作業を昨日に続けて行う。
フレットを抜き終えて、目視で反りが無いように思われる指板だが、フレット打ちのお作法として、全体にヤスリをあてて、摺り合わせをしておく。
ところが、このDupont VRBの指板は6年の経年変化があったのか、7〜10フレット辺りにだけアールが付いているようだ。この状態でフレットを打つと、フレット自体の摺り合わせが必要になるので、指板を徹底的に擦り合わせることにした。
最近の安いギターは、どこで入手するのだろうか、真っ黒で綺麗なエボニー(黒檀)を使っていることが多いが、このギターは高いくせに縞の入ったローズウッドにも見えるエボニーを使っている。(おがくずの匂いがローズウッドではなく、エボニーのそれであるので、安心した。)
240番サンドペーパーをまっすぐな木片に貼り付けた簡易フイラーを使って、約1時間ほど指板と格闘し、どうやら摺り合わせが完了した。ブリッジの高さを変えるのが嫌なので、なるべく指板のボディ側を削らずにナット側が削れるようにした。
仕上げに400番のサンドペーパーを掛けた。エボニー指板は1000番くらいまで順番にかけてプラッチックのようにビカビカにする職人さんも居るけれど、あれは指の脂と相性が良くないのであまり好きではない。400番くらいでやめて、植物性油脂を摺り込んで乾拭きしておくのが、この楽器のオーナーでもある僕のやり方。
フレット打ち込みは難しそうで一番簡単な作業だ。(僕には老眼鏡が必要だけれど、)釘を打てる人なら誰でもできる。失敗しないコツはダブルハンマーで打ち込むことだ。つまり、樹脂製のハンマーをフレットの上にあてておいて、そのハンマーを金属製の重いハンマーでたたくわけ。
指板の摺り合わせをしつこくしたので、フレットを思いっきり打ち込んでおくことで、打ち込んだ後にフレット上面をヤスリで削って摺り合わせする作業は全く必要ない。(他人の楽器で、フレットの上面が削られて平らになっているのを見ると、気の毒に思う)フレットの切断面の処理(金ヤスリ〜240番〜400番〜600番耐水ペーパーで整える)を行えば作業終了。
今回の作業のついでに、以前から切望していた22フレットを1弦にのみ追加した。(最高音がC#ではなくDなら、表現の仕方がたくさん増えるのに、なぜ22フレットがセルマー・タイプに無いのかが疑問だ。)
明日明後日とこのまま弾いてみてフレットを弦になじませば予定終了だ。
いつも大変楽しく拝見しております。
25年以上ギターから遠ざかっておりましたが、一念発起、最近ギターを弾くことを再開したばかりのオヤジです。ついにはマカフェリタイプのギターが欲しくなり、こちらのブログを参考にGitane DG255の購入を検討しておりましたところ、先日ネットで中古のDG300の出物を発見。思わず衝動買いしてしまいました。Hikaru様もおっしゃっていた通り、中国製とは言えしっかりした作りで、音量もあり自分には十分と思っております。が、弾きこむにつれ、以前よりより所有しているピックギターと弾き比べても、押弦に神経を使い、力も必要なことを感じています。
今回の記事や以前のDG255の記事を参考にさせていただき、自分もフレットをジャンボタイプのものに変更しようと考えております。
もしも差し支えございませんでしたら、Hikaru様のお勧めのフレットのブランド・型番等ご教示くださいましたら幸甚でございます。
現在は自力で基礎力を養い、ゆくゆくはレッスンをお願いできる日が来ることを夢見ております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
kurosan53様
コメントありがとうございます。
DG300はGitaneの自信作ではないでしょうか。最近は買い替え需要があるのか、中古がチラホラでますね。入門用としたらかなりいいギターだと思います。とにかくボリュームはありますね。
フレットですが、うちの在庫は20年以上前にまとめて仕入れたもので型番が不明です。
もしお買い求めでしたら、 http://www.stewmac.com/shop/Fretting_supplies/Stewart-MacDonald_Fretwire/Medium_Fretwire.html をご覧になってみてください。「Medium/Higher」あたりが僕の好みです。ご参考になりましたら幸いです。
Hikaru様
早速にご回答くださいまして感激です。
ずうずうしいとは思いながらも、酔った勢いも手伝いついポチットしてしまい翌朝になって反省しておりました。早速Stewart-MacDonaldのHPを拝見しました。「Medium/Higher」はWidthが2.34㎜ということですが、先日某I楽器さんでDupont等を見させてもらったところ一見非常に太く見え3㎜位はあるのでは
ないかと思っておりました。Hikaru様にご教示いただかなければ、入手し易いJimDunlop#6100位のジャンボフレットを購入してしまうところでした。
それにつけても、Stewart-MacDonaldは、パーツや工具の種類、在庫の膨大さもすごいものがありますが、とてもリーズナブルなことに驚きました。また、英語の苦手なオヤジですが、注文くらいは容易に出来そうです。本当にありがとうございました。
Hikaru様の、ご健康と今後益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
まずは、御礼まで。
もう随分前のことなので記憶があやふやなのですが、JimDunlopのジャンボフレットを安物のピックギターに打ったことがあります。今はどうか分かりませんし、記憶違いかもしれませんが、その時に受けた印象が、「とても硬い」ということです。指板のアールになかなか馴染まず打つのに苦労しました。そして、プレイの時も何か弦を痛めつけているような感じがして気持ち悪かったです。
いわゆるジプシー弦は細い上、巻き弦もシルバーですので、他のギター用の弦に比べてかなり柔らかいことはご存知と思います。ですので、フレットが硬いと弦に与えるダメージも大きくなりますので、マカフェリ系のギターには柔らかいフレットがいいのではないかと思って、自分の楽器はそのようにしています。その分、フレット交換が頻繁になりますが、これは仕方有りませんね。
Hikaru様
今回、Gitaneを入手してから、初めてGypsyJazz用の弦(アルゼンティーヌ、ピラミッド、レンゾナー、ガリ)を使用してみて判ったことですが、どれも特にG線またD線の巻線がすぐに切れてしまい、こんなものかと思いつつも痛い出費となっています。余分な力が入りすぎていることもあるのでしょうが、ノーマルのGitaneのフレットでさえこの有様ですから、Hikaru様のおっしゃるとおり、硬いフレットは馴染まないのでしょうね。
今回は、ご教示いただきましたStewart-MacDonaldに注文してみるつもりです。仕事が立て込んできてしまい時間がかかるかも知れませんが、後日、交換した結果につきましては、再度報告させていただきたいと
思っています。毎回コメントにお返事をくださり恐縮です。本当にありがとうございます。
ヨーロッパ製のジプシー弦はバラツキがありすぎて、まともに鳴ってくれるのは数セットに1セット、しかもよく切れるので、僕は好みません。今お気に入りはダダリオのジプシー弦です。硬めですが、バラツキが一切ない上に切れにくいです。
はじめまして。「Dupont Guitarの修理」で検索し、このページに辿り着きました。私は9年ぐらい前に中古で2001年製のDupont MD50Bを入手しました。最近ビビリがひどく調べてみると、どうやら「ネックの逆ぞり」と「フレットの浮き」が原因のようです。それでHikaru様のように自分でフレットの打ち直しとフィンガーボードのすり合せを計画しています。そこで質問なのですが、14フレット以降にフレットを打ち込む場合、サウンドホール側から何かを入れて支えるのでしょうか。それともそのまま打ち込んでも大丈夫なものでしょうか。小さなサウンドホールから何かを入れるのも困難だとは思うのですが。ご教示お願い致します。
Takachan様
結論から申し上げますと、僕はサウンドホールには何も入れません。
他の人がどうやっているかは知りませんが、これで失敗したことはありません。
文面を拝見しておりますと、初めて作業されるようですね。
巷のリペアさんに出すとどれくらい請求されるかはすでに調べておられるでしょう。
リペア代は作業時間給+技術料から算出されていると考えますが、経験を積んだ技術料が元になっています。
もし、Dupontのような高級楽器で初めて作業されるなら、やめておいたほうがいいです。
まず安い捨てても良いような楽器で何本も作業の練習をして、勘所を掴んでからにした方がいいですよ。
悪いことは言いません。
早速のお返事ありがとうございます。そうですね、少し無謀すぎますね。どこかでジャンク品でも手に入れて練習してみます。私もMartin等、十数本所有しており、そのリフレット代だけでも考えると気が遠くなります。それで「自分でリフレットできるなら」と思い、道具だけはそろえたのですが。ご忠告ありがとうございました。気長に挑戦してみます。