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演奏家であれば、常時使用するフレット付の弦楽器は、年に一回くらいはフレット交換が必要になると思います。普通、フレット交換は楽器工房や修理屋さんに依頼するわけですが、一丁安くて2万円ほどかかりますので、貧乏な僕は昔から自分で交換しています。これだと、フレットそのものの材料費(1000円もしない!)だけで済みますので、経費を掛けずにもっと頻繁に交換できて、いつも弾きやすい状態で演奏できます。
昨年秋に購入にしたこの楽器ですが、この冬に弦高が異様に低くなっったので、ブリッジを上げ底に加工、ネックを逆ぞり気味にセットして使っていました。それが、この梅雨時になって、急に弦高が倍くらい上がってしまいました。見るとネックの’逆ぞりがかなりオーバーになっているにもかかわらず、ブリッジを載せている部分のボディが’膨らんだみたいです。ボディトップを薄いラッカー塗装にやり直してあるのも原因のひとつだと思いますが、新しいギターは気候の影響がかなり大きいようですね。
それで、今週はライブも控えていることですので、この連休に調整を行なおうということで、1年近くの酷使で摩耗が酷いフレットの交換を、手始めにやりました。購入時から付いていた元々のフレットは一般の市販ギターと同じ程度の幅と高さでしたが、僕なんかのようにハイポジションまで単弦を使ってソロを弾くようなスタイルですと、ちょっと弾きづらく思いますので、いつものごとく、背高幅広のものに交換しました。下の画像は、前のと新しいのとを並べて撮ったものですが、断面の形状が違うことが分かるでしょうか?
背高幅広のフレットは、ピッチが少し甘くなったり、金属の重量感でサスティーンが上がるけど音量が出ないなどのデメリットがありますが、日本人は西洋人に比べて手も小さく、かつ、握力も無いと考えられますので、サウンド的に若干の問題が有っても押弦が楽なフレットの方が良いと、僕は考えています。音量の問題は右手のピッキングと左手のビブラートでカバーできますから、フレットの背が高いたためにビブラットが掛けやすいとか、小さい力で押弦が確実に行なえる、というメリットの方が僕には大事です。
次にブリッジの底を削って弦高を下げ、一応の作業が完了したら、実際にとても弾きやすくなりましたので、今度のライブが楽しみになりました。