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「ジプシージャズのスケール」とか「ジプシージャズの音階」というキーワードで検索して、このサイトや僕の別サイトを見られる人が多いようです。
スケール(scale)は日本語では「音階」と呼ばれますが、ある音を基準にして、そこから一定の規則で音を順に並べたものということになっているようです。通常、ジャズやポップスで使われているスケールは1オクターブ内で作られていて、たとえばCメジャースケールなら、ド~上のドまでの1オクターブの間に規則的に音を並べています。
ジャズでは、キーや特定のコード進行で使うスケールが様式化・理論化されていて、多種スケールと楽器ごとにその弾き方を覚えれば、ジャズ的な演奏がある程度行えるようです。
しかし、残念ながらジプシージャズ(あるいはジャズマヌーシュ)においては、ジャズ的なスケールの様式化はありません。ジプシージャズ独特のスケールも無いことは無いのですが、様式としてスケールを主体に演奏することはほとんどありません。テーマ〜アドリブ〜テーマで構成されるジャズ的な演奏であることは間違い有りませんが、ギターはスケールでは無くアルペジオ主体で演奏されます。アルペジオ、つまり分散和音はドミソの三声だけではなく、いくつかのテンションの加わった五声程度のアルペジオであることが多いですが、それはまた別稿で書きたいと思います。(もしかして、このアルペジオをスケールと呼んでますか?)
結論ですが、ジプシージャズのスケールを調べることにやっきになっているアナタ、時間の無駄ですよ。
実は、ジプシージャズのギター演奏で肝心なのは、スケールやアルペジオではなく、音の出し方、つまりピッキングなんですね。
続きはまた別稿で。
Django Reinhardt没後50周年だった10年前の2003年に、「Tribute to Django」というライブアルバムを関西のジプシージャズ・ミュージシャンと録音しました。もう絶盤になっていますが、日本のジプシージャズの夜明けにふさわしい好アルバムだったと思います。
下の写真はその録音の時のものです。みんな若いですね!
そのアルバムに参加した3人のギタリストが、東京のジプシージャズ専門老舗ライブハウスで10年ぶりにセッションします。
出演:川瀬眞司 gt 山本佳史 gt 長谷川光 gt
開場 19:00 START 19:30
1ステージ45分 2セットの予定
チャージ:2500円
会場:西早稲田 BLUE DRAG
住所:169-0051 東京都新宿区西早稲田3-20-6 スパイラルビルB1
電話/FAX: 03-6457-6933
アフターアワーズセッションがあるそうです。皆さん楽器を持ってお越しください。
Teddy Bunnというギタリストは、戦前ジャズ、いわゆるトラッドジャズ愛好者には説明が必要無いくらいの重要人物です。Summertimeという超有名曲がありますが、同曲の作者であるSidney Bechetのオリジナル録音でのギター奏者だと言えば、ジャズファンなら、へぇそうか、くらいは相槌するでしょう。
戦後はエレキギターを弾いてR&B寄りのセッションマンになってしまいましたが、戦前はアコースティックギターでシングルトーンのソロを取る数少ないジャズギタリストとして、数多くのセッションに参加しました。Charlie Christianが電気ギターでジャズのソロを取り出してもなお、Teddy Bunnはしばらくはアコースティック・ギターでの演奏を押し通しました。
日英米混成バンドの「GYPSY SHEIKS」、メンバーのマットさんが8月から来年まで離日するので、先日最後のライブを国分寺Gieeで行いましたが、ファンの要請で緊急追加ライブを離日直前に行うことになりました。
■GYPSY SHEIKS
アラン・グリースン コントラバス
マット・ギラン マウス・ハープ ピアノ ギター
クリス・ホスキンス バイオリン
長谷川光 ギター
テツジ ドラム
「ジャンゴの日」というトピックでも書きましたが、今から10年前にはDjango Reinhardt没後50年ということで、本邦においてもDjango Reinhardtの音楽やフォロワーの演奏するジプシージャズが人気を博す所となりました。
それで、日本でもいよいよ、ジプシージャズについて、ファンが正当な評価をしながら演奏家のリスペクトを受け止める体勢ができたか、と言うと、まだまだ時期尚早でした。特に「フォロワーの演奏するジプシージャズ」のみが評価され、「ジャンゴの弾いたジャズ」は無視されたような格好でした。ファンもプレイヤーも、ジプシージャズの祖としてのジャンゴへのリスペクトはありますが、ジャンゴの残した演奏に対しての評価がまともに行われたか甚だ疑問です。
同じ理由だと思いますが、ジャンゴの演奏から演奏方法を学ぶのではなく、フォロワーの演奏をお手本に入門するプレイヤーが後を絶ちません。ジャンゴよりフォロワーの方が遥かに高度な演奏ですし、古臭いモノラル録音のジャズ演奏よりも、たまに8ビートの混じる現代のジプシージャズの方が入門者にはとっつきやすいのでしょう。なので、ジャズ演奏の一つの流派(方法論)としてジャンゴのお作法でギターを弾くのではなく、完全に独立したジプシージャズというジャンルの上でギターを弾くという感覚なのでしょう。裾野を広げるには良かったとは思います。ただ、若い人の中には、自分はマヌーシュのギタリストだという人も居て、なんか気恥ずかしい気持ちにもなります。(せめて、ジャズ・マヌーシュのギタリストと言って欲しい!ハードディスクのことを「ハード」というおっさんと同じレベルの教養では悲しい。。。)