My Own Musical Instruments

Gallato Ltd édition 1939 Série 2009 (s/n 13.06.09)

RS1939-02

2009年夏頃、eBayオークションにてAngelo Debarreモデルと冠がついたフランス製マカフェリギターの新品を落札しました。

オークションの能書きによると、製作者のSergio Gallato氏は1939年製オリジナルSelmerを解体調査した上で構造等を勉強し今世紀初頭からRS-1939という型番のセルマーレプリカを作ってきたそうです。この個体はそのオリジナルSelmerの製造70周年記念限定モデルとして特別に作られた数台の内の1台ということでした。

金属パーツは自社生産あるいは外注特注で、他のメーカーのような汎用品では無く、能書きによると自社で焼きを入れた優れたものだそうです。たしかにペグなどはオリジナルSelmerの雰囲気に近い素晴らしいデザインですが、ペグボタンがもろく、すぐに一個が崩れました。テイルピースはループエンド専用でしたので使い勝手が悪く、ボールエンドを通せるようにポストに自分で穴を開けました。

また、同じ能書きに書かれていたスペックによると、横・裏板はインディアンローズウッド合板ということでしたが、手にした時、裏板はローズウッドではなくウォルナット合板であることが分かりました。横板は当初はローズウッドだと思っていましたが、経年変化で色落ちして、ストライプがきついウォルナットであることが分かりました。なので、ネック、横・裏板がウォルナットということになります。カタログ・モデルはローズウッド使用ボディと記載されていますので、もしかすると、これが限定モデルのスペックなのかもしれません。材料から来るイメージ通りの個性的なサウンドで、手持ちのマカフェリタイプでは最も音量が出ます。

Dupont社のVRBを入手して分かりましたが、GallatoのマカフェリはほんとにオリジナルSelmerを調査研究して作ったのか?と思うほどオリジナルSelmerのディティールとは遠いと思います。しかしながら、他の同価格帯のレプリカと比べますと、サウンドも仕事もかなり優秀な楽器だと感じます。

作者のGallato氏は、このギターを出荷する頃まではフランクフルトのギターショーに現れたりとけっこう露出度が高かったのですが、その後ぷっつりと消息が分かりません。日本で取引のある楽器屋さんでも同時期から連絡を取れないと言ってました。

シリアル番号はたぶんこの楽器の出荷日でしょう。2009年6月13日ということでしょうか。

Gallatoブランドはフランス製のこのモデルの廉価版で1000ユーロ以下のモデルをアジアでOEM生産させていましたし、マカフェリ以外の普通のフラットトップやエレキギターも廉価でカタログに載せていましたので、それらもアジア製OEMだと思われます。事によっては、そのOEMによる事業展開が経営を悪化させて、Gallato氏はどこかに高飛びしたのかもしれません。(このあたりは完全に想像ですので。。。)

今となっては貴重な楽器となったGallatoのマカフェリギター、我が家では最も良く鳴る楽器です。もしかしたら、近々嫁入りするかもしれません。


Gallato主催の演奏会の模様。左から二人目のAngelo Debarreが弾くGallatoがこの楽器と同じモノと聞いたけれど、時系列がおかしいので、たぶん同じスペックなのだと思います。同じ音がします。

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