Category :: Django Reinhardt

渡仏日記まとめUpdate : 2011/07/04 Mon 17:51

今回の渡仏は、パリ南方の小さな町、サモアで毎年開かれているジャンゴ・ラインハルト・メモリアル・フェスティバルに行ってみよう、というのが最大の目的だった。日程前後に余裕を持たせて、パリやムランで現地の空気にも触れておこうという、ちょっと贅沢な趣向でもあった。

まず、ジャンゴ・フェスで感じたことを書いてみる。セーヌ川を配したロケーションは最高だった。また行きたくなる場所だ。

しかしながら、ステージはほとんど見ていない。今年はジョージ・ベンソン以外に興味のあるアーチストがあまりブッキングされていなかったせいもあるが、その肝心のジョージ・ベンソンさえ見ていない。元々国内でも外タレコンサートに行って感動する人間ではないので、客席でじっと大スターのショーを観るというのは僕には向いていないみたいだ。

ジャンゴ・フェスの魅力は、ロケーションの良さとステージ以外の場所のホスピタリティだろう。たくさんの楽器メーカーブースにケータリング屋台。日本人じゃ考えられない一般客のフレンドリーさ。子供の時に初めて行った縁日を思い出して欲しい。あんなウキウキした感じをここで感じた。

自分は楽器を持って行かなかったので、もっぱらジャム見物を楽しんだ。マヌーシュ・ギタリストや著名ギタリストのジャムはさすがに面白かった。また、昔のアメリカで言うところのカッティング・セッション、つまりまだ無名の腕自慢が実力を認めてもらうために、これみよがしにやるジャムセッションも数多く見受けられたし、そのサウンドもなかなかものものであった。それに引き換え、(自分を顧みずに書いてしまうが、)フランス白人やヨーロッパ白人のジャムは、なんか眠りを誘うようなだるさを感じた。

いわゆる、ジャズ・マヌーシュの良い音をサモアでたくさん聴けたが、僕に分かったことは、それが僕の目指しているものでは無いということだった。主観的で説明が難しいが、ジャズ・マヌーシュにはジャズという冠が付いているが、ジャズとは僕には思えないのだ。ジャンゴが演奏した「ジャズ」をサモアでは全く感じられなかった。ごめんなさい。

次にフェス以外について書く。当初言葉の問題をかなり心配したが、単独で動くことが多くなって感じたことは、義務教育程度のエーゴでなんとかなるということだ。特にパリのカフェや売店ではほとんどエーゴが通じた。

ワインの安さも特筆すべきだ。日本国内の2割から5割の値段で買える。日本の輸入業者がかなり儲けていることが分かった。

コーヒーは美味しい。普段からフレンチローストの細挽きを愛飲しているので、フランスのコーヒーは我が意を得たものだった。ただ、何も言わないとデミカップで出されるので、日本人はダブルサイズを注文しないといけない。それに引き換え、(僕の行った範囲だけなので本当かどうかは分からないが、)ティー(紅茶)は貧弱だった。注文するとティーバッグとお湯が来る。

噂通り、バゲット(フランスパン)はもちろん美味しかった。フランスでは、サンドイッチというとフランスパンを縦に半分に割って具を詰めたものが出てくる。イギリスパンのサンドイッチはなかなか無い。

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日本料理、ジャパニーズレストランの店がかなり多い。駅ごとに5軒以上ある。中華料理店よりも多いくらいかもしれない。客の入りも悪くないようだ。ただ、はなしでは、ご飯が外米らしく、お店によってはギョウザや春巻きまで日本料理となっていた。

黒人がやたら多い。パリジェンヌばかりのフランスを想像していたが、たぶん旧植民地方面の人たちだと思うが、街で見かける人の半分近くが黒人だった。東洋人の割合も思ってた以上に多く、一人で歩いていると決して観光客とは見られていないようだった。フランス語で話しかけられて、道を聞かれたり、タバコをせびられたりした。

月曜日のパリはお休みの店が多い。行きたかったシャルルさんのギターショップは月〜水がお休みで行けずじまいだった。

この時期、日没が遅い。夜10時半ごろ。

タクシー代は東京とそんなに変わらない。しかしながら、パリ以外では流しのタクシーが居ない。夜11時になると呼ぶことも難しい。夜遊びするなら、鉄道駅の徒歩圏に宿を取った方がいい。

自動販売機の類が少ない。メトロの駅くらいしか見かけない。水分を欲した時、ジュースや水はワインに比べて割高。しかし、ビールは日本より高い。タバコの自販機もとうぜん無いが、いたるところにあるTABACというバーで買える。ただし、値段が日本の倍位する。

また思い出したら書いてみる。

▼ Comments for this post

From : まがりぶち   Date : 2011/07/04 19:58

無事にお帰りになられ、なによりです。渡仏日記はフランスの匂いが漂ってくるような洒落た文章で、臨場感のある雰囲気を楽しませていただきました。また機会がありましたら詳しいお話をお聞かせ下さい。長旅、お疲れさまでした。

From : Hikaru   Date : 2011/07/04 20:11

まがりぶちさん
拙文お読みいただきありがとうございました。まだ夜見る夢の中ではフランス語が飛び交っていますが、記憶が温かいうちに文章にしておこうと思いました。歳のせいで、しばらくすると忘れますからね(笑)。

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