Category :: Django Reinhardt

渡仏日記(10)パリ火曜日Update : 2011/06/28 Tue 02:36

前々夜にパリ在住の旧知のマコ女史からメールがあって、明後日モンソー公園でお昼ごはんしましょう、おむすびを持っていきます、ということなので、それならばと日本茶をリクエストしていた。12時にモンソー駅で待ち合わせということで、昨日と同じく駅前のカフェで仏式朝食をいただき、メトロに乗った。

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12時までまだまだ時間があるので、昨日しくじったRome通りにまず向かって楽器屋を冷やかす。たくさん店頭の写真を撮ったので、Photoページに纏めてアップした

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モンソー駅を出たらすぐにモンソー公園という図式は、緑地公園駅を出たらすぐ服部緑地という感じだった。ロケーション的にも服部緑地的雰囲気が漂い、平日の昼間なのにけっこう多くの地元民が芝生の上でくつろいでいる。この国の経済構造を詳しく知りたくなった。

約束のおむすび、玉子焼き、塩もみキュウリを番茶とともにいただき、久しぶりにお腹の中がわびてさびた感じがした。森真子女史は数年前に日本からヨーロッパに脱出し、東京にいた頃は歌とギターだったような気がしたが、現在はパリにてバイオリン修行に励んでいる。一緒に来た彼女のボーイフレンドのナトン君は若手凄腕のジャズ・バイオリニストだ。聞けば、正式な音楽教育を音大で受けているらしい。僕のような下々の者と合奏していただくには恐れ多いとは思いながらも、わざわざマカフェリギターを持ってきてくれたので、日本男児としてお手合わせをお願いした。

はかなくも玉砕してしまった。葉隠とは死ぬことと見つけたり。伊達にチョンマゲはつけていない。
再会を約束して15時過ぎにお二人と別れた。忙しい中、わざわざ御相手してくれて感謝極まりない。持つべきものは旅先の友だと思った。

別れ際に、この後僕は何処をうろつけば面白いのか聞いてみたら、散歩ならサンポールへ行くと良いとのこと(シャレかい!)だったので、ご教示の通りサンポール方面に向かう。たしかにいい街でバステュールまで散歩した。ただ、この日は観光客モードから自分モードにスイッチが切り替わっていたので、ただの景色ウォッチでは物足りなかった。日本人がオーナーだと思われるバステュール付近のカフェで、水分補給のためのビールを所望し、この後の予定を練った。何かパリでの使命を果たしていないような気がしたのは楽器博物館(cite de la musique)に行ってないからだ。時間的にはまだ観覧できる時間だったので、急遽パリ市街北東にあるターゲットに向かう。

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楽器博物館は民族楽器から古楽器〜シンセまで、豊富な展示が圧巻であった。ヨーロッパ楽器に限って言えば、千里の万博跡にある民族学博物館の楽器展示の何倍も内容の濃いものになっている。僕にとっては今回の旅のハイライトかもしれない。

それ以上に、なぜこの博物館に来る使命が僕にあったかと言えば、そこにはジャンゴが死ぬまで愛用したSelmer 503が展示してあるからだ。

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ほとんどの観覧者が素通りする展示ブースで、恥ずかしくもなく自撮りした。ご先祖様が使ったお茶碗に出会ったような感覚だ。後方にはグラッペリのバイオリンもさりげなく置いてあり、ここはフランス・ホットクラブ五重奏団を紹介啓蒙するブースなのだ。このような形でフランス人音楽家がここで紹介されているのはサラサーテ他数人だけだ。日本人には全く無名と言っても良いくらいのネームバリューだが、ジャンゴはフランスを代表できる偉大な音楽家なのだとあらためて確信した。藤山一郎国民栄誉賞並だと思う。このブースに30分も居た自分がいじらしい。

今回撮ったcite de la musiqueの写真はコチラ

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翌日はいよいよ帰路に発たなければならないので、この日のディナーは自分的に奮発した。(たいしたことはないが。。。)リブステーキ300g、ペッパーソース、ビール3杯、しめて24ユーロくらいだったか。

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