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Yellow Django RevivalUpdate : 2014/08/31 Sun 02:56

僕が加入している現在進行形のバンドのことは、ライブのお知らせ以外は滅多にブログには書きません。たぶんこの記事が初めてのポストになると思います。

ちょっと考えることがあって、現在日本屈指のジプシー・ジャズ・バンドのことを文章にしておきたいと思います。

ここでお話する、Yellow Django Revivalは、いわゆるジプシージャズという音楽を演奏するクインテットで、僕がバンマスみたいなことをさせて頂いております。

初ステージは2003年5月24日ですからもう10年以上活動を続けていることになります。その初ステージは、富士山麓の朝霧高原で行われたブルーグラス・フェスティバルでした。当時、僕は関東圏のブルーグラス・フェスのほとんどに顔を出していましたから、その流れで、メンバーが揃ったから出てみようというようなノリだったと思います。かなり遠い記憶ですが、その前の年からリハーサルを何回か行ってて、ようやくバンドの体裁になったというような感じだったと思います。しかしながら、初ステージ時の編成はギター×2+ベースのトリオでした。僕の他、網代直隆くん(guitar)と手島昭英さん(guitar)というトリオでしたが、この二人は現在一緒にやっていません。僕しかオリジナルメンバーは残っていないことになります。

[2003年5月24日 朝霧フェス]
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バンド名のYellow Django Revivalは、1980年代に国民的音楽ヒーローになったY.M.O.から日本人を象徴する言葉としてYellow、ジプシージャズギタースタイルの嚆矢Django ReinhardtからDjango、そして先進的なブルーグラスを演奏したNew Grass RevivalやアメリカンロックのC.C.R.からRevivalを頂いて、僕が思いつきで付けた名前です。この名前をこんなに長い間使うとは思いませんでしたが、行きがかり上、僕がこの名前を使うのをやめない限りバンドの解散は無いということになります。

この年の秋、バイオリンの笹部裕子さんがバンドに加入してくれました。ずっとプロの演奏家として活動されていて、彼女の結婚披露宴で彼女が弾くCsardasを聴いて少し話をしたら、スタンダードやシャンソンなんかも夜の店で弾いているということだったので、バンドのバイオリニストとしてラブコールを送ってました。今や彼女のバイオリンがバンドのサウンドの要になっていると言っても良いでしょう。

[2003年10月 ジャンゴフェス東京]

年明けて2004年からは、及川治さんが二人目のリズム・ギタリストとして加わってくださいました。及川さんはベースの手島さんと1970年代にメリケン・ジャップ・スイング・バンドというマンドリン+ギター+ベースのトリオでジャズ曲を演奏していた僕なんかのあこがれの人でした。2バックのギターでバンドのリズムの厚さが決定的になりました。国内のジプシージャズバンドで、僕らのように不動の2バックギターを続けているところは無いのではないでしょうか。

ジプシージャズバンドの場合、リズムギターが1人しか居ないと、その人のリズム感やグルーブにバンドが支配されてしまいます。そして、リズム・ギタリストが調子悪ければバンドごと駄目になってしまうことがよくあります。ところが、リズムギターが2人居ると、お互いが譲りあってどちらかが調子悪い時でも常に同じリズムを出せるようになります。

不動のクインテットで2年ほど活動を続けましたが、網代くんがバンドから抜けることになり、他のバンドで一緒だった小篠慶司さんにカホンで加わっていただきました。何度かそれでライブをやりましたが、及川さんがマカフェリ・ギターを買うという時に小篠さんも一緒に同じモデルのギターを購入し、2バックギター編成が復活しました。2013年いっぱいまで、途中裕子さんが2度ほど数ヶ月の産休を取りましたが、この不動のメンバーでライブ活動を数限りなく行いました。

[2010年10月 上越市高田世界館]

そして、2014年3月からはベースの新メンバーにプロの演奏家として長く活動している加藤人くんを迎えて、新しいフォーメーションで更に強固なリズムで演奏させて頂いております。8年以上一緒にリズムを刻んでいただいている及川・小篠コンビのリズムは成熟・安定していますが、それに加えてプロの現場でタイトなリズムをキープしてきた加藤くんのベースが加わったことで、笹部裕子のバイオリンと僕のギターはストレス無く自由に泳がせて頂いてます。こんな幸せなことはありません。

[2014年3月 銀座Rocky Top]

僕は最近、他のジプシージャズのセッションで弾かせてもらう機会が増えましたが、それらはセッションであるから仕方ないのですが、Yellow Django Revivalのリズムがとても凄いことをいつもあらためて感じます。僕が感じるYellow Django Revivalのリズムを例えると、3000ccのエンジンを積んだ車が高速道路で80km/hで巡行するような安定感と重厚さがあります。(若い子たちのバンドやセッションでのそれは、軽自動車で100km/h以上を頑張っているような感じです。)

僕は他にパーマネントでやっているバンドも無いので、Yellow Django Revivalの活動をもっとアクティブにしても良いのですが、これまでずっと、2ヶ月に一回程度の頻度でライブを演るだけの活動を続けています。逆にこの頻度が音楽的にも体力的にも人間関係にも幸いしているのではないかと考えます。日本国内のジプシージャズバンドとしては異例の、平均年齢50歳超えですし、これまで通り欲張らずに続けていくことがバンド維持の秘訣かもしれません。派手さはないけど、長いこと維持してきたバンドだからこそ出せる音をこれからも出していきたいと思います。

読者の皆さん、バンドメンバーの皆さん、これからもよろしくお願い致します。

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