15929187 visitors have come to this site since 26th April 1996.
サモアのフェスは日曜日もプログラムがあるのだけれど、渡仏同行ご一家はもうサモアに行かないみたいだし、昨日のように最終バスを気にしながら中途半端な時間にフェスを去るのも悔しいので、残りの日程を単独で行動させてもらえるようにお願いして、Melunにあと一泊するはずの予定を僕だけキャンセルしパリに単独移動した。Melun駅からパリ・リヨン駅までの移動は急行に乗れば30分ほどだし、電車移動は三回目で慣れていたので全く苦労なし。ただ、初めての外国旅行で単独泊は苦労して当然と覚悟していたので、パリ在住の旧知の女子に連絡を取ってホテルだけリザーブしてもらった。リヨン駅まで彼女は迎えに来てくれて、ホテルまで同行してくれた。無事チェックインが終わっったが、なんとエレベータ無しの5階の部屋。窓から写した風景が右の写真。高所恐怖症なので、お尻を後に突き出しながら撮影。魔女の宅急便て、こんなんだったかな。
このホテルはパリ市内南東のヴォルテール駅から徒歩2分という好立地で料金も安いことから、日本人団体旅行客がたくさん投宿していた。喫煙者にとって階段で5階まではさすがにきつかったが、(パリでは当たり前なのかもしれないが、)禁煙と言われていた部屋にさりげなく灰皿が置いてあったのはうれしかった。
同行者一家はもう疲れてサモアには行かないということなので、この日は一人でサモアに向かった。Melunのモーテル裏にバス停があるので、Melun駅までバスで行くことにした。どうやって乗ればよいのか分からなかったが、乗ってすぐ運転手に現金を渡したらお釣りとレシートをくれたの安心して席についた。Melun駅からは先日のサモロー方面とは違う路線に乗ってフォンテンブロー・アボン駅に向かった。
アボン駅はフォンテンブローの中心地からはかなり離れているが、観光地らしく駅舎も立派で、サモアの会場行きのシャトルバスが駅前から20分おきくらいに出ている。バス停が分からずに駅の切符売り場のおばさんにプログラムを見せてブス!と言ったらバス停の方を指さしてくれた。日本なら、かなり失礼な発言だったことは言うまでもない。シャトルバスの乗り場は立派な駅舎がある方ではなく、反対側だったので地下道をくぐって辿り着いた。
前日はフォンテンブローからタクシーでサモアに移動して、1958年ジャン・コクトー作品映画「Django Reinhart」の冒頭で観れるサモアへのドライブを思い出したが、この日乗ったシャトルバスは全く違った道を通った。セーヌ川沿いに美しい景色を楽しませてくれるかのごとく優雅に道を進んで、フェスのゲートの前で降ろしてくれた。前日のタクシーよりも明らかに短時間で到着したということは、タクシードライバーがけっこうインチキしているということかもしれない。
夕方までフォンテンブロー観光を楽しんだ我々偽中国人観光客一行は、タクシーでサモアのセントラルに移動した。
フランスもののDVD映像でよく見る風景がそこにあった。カフェで一服の後、女性陣は買い物に出かけたので、予てからの使命を全うするために僕は単独行動で散策をした。ジャンゴのお墓参りだ。
だいたいのあたりをつけて町外れまで歩いて行き、よくDVDで見かける墓地の塀を探し当てた。昨年のサモアの時期にたくさんのギタリストがお墓で奉納演奏をした映像を思い出し、墓地内の角あたりを探すと簡単にジャンゴのお墓を見つけた。墓石の上にはたくさんの墓参者が置いていったピックが綺麗に並べられ、タバコとお酒も備えてあった。祈りを捧げた後、単独行動で仕方が無いのでiPhoneで自撮りして、墓地を後にした。
Melun滞在3日目は、フォンテンブロー観光の後、サモアに向かうことにした。全てタクシー移動だった。フォンテンブローではAJLというフィンランドのギターブランドのAriさんとお昼に会う約束があった。
フォンテンブローのセントラルは有名なお城の裏側にある。上の写真は中央郵便局と思われる立派なな建物で、位置から考えるとお城と土地を共有しているように思えた。乏しくなった現金を補充するためにここで両替の後、トイレを借りるために対面のカフェで一服。
Ariさんに電話する約束だったが、Ariさんの方が僕らを見つけてくれた。Ariさんが滞在している直ぐ側のホテルの一室に同行して小一時間歓談したが、その間、同じホテルの別の部屋からは、たぶんフェス参加者が弾いていると思われるギターの音がずっと聞こえていた。フェスは夜からなので、昼間はホテルでジャムセッションというのが、フォンテンブローに泊まれる外様の流儀なのだろう。
前日にサモア初到達を果たし、今日ももちろん行くつもりで一日の予定を考えた。サモアの入場は夜8時頃からなので、それまでをどう過ごすか、それが問題だった。同行の家族一行は近郊のディズニーランドへ行くということで誘われていたが、元の職場のような場所にお客で行くような気持ちにはなれないので、僕だけ別行動ということにした。
サモアのフェスには公式なキャンプサイトというがあって、それはフェス会場から数キロあるいは十数キロ離れたところにある。30年も前からブルーグラスフェスを経験している自分は、この感覚が分からなかった。フェスとキャンプサイトは隣接しているのが当たり前だからだ。で、噂に聞くサモロー(サモルー?)のキャンプサイトに行ってみることにした。
Melunのモーテルから散歩がてらMelun駅まで2キロほどの道のりを歩いてみた。この旅の後半もそうだが、iPhoneのGPSがかなり役に立った。居所の近所はウロウロするべきで、この徒歩で、モーテルの直ぐ側にディディエール・ロックウッドの学校があることが分かった。また、日本では見られない美しい風景も十分堪能できた。
Melun駅は一応鉄路の拠点で、パリから南下した近郊鉄道はここでセーヌ川の東西に二股に別れる。サモアはセーヌ川西側のフォンテンブローに近い場所だが、これから向かうサモローは東側だ。しかも、Melunからサモアへの直線距離と比べるとMelunからサモローは2倍近い。初めての外国で鉄路一人旅は緊張しぱなしで切符を買うのも苦労したが、無事サモロー駅に降り立った。