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僕は競争とか競技とか他人と点数を競い合うそういう類いの物が嫌いですが、フィギュア・スケートは芸能というか音楽的なものを感じるので、そういう見方で観戦(観劇)することが多いです。特に女子。
で、どこでも話題の日本人が上位二席を獲得した話をネタにちょっと書きましょう。
得意技を出さずに安全策で平均点を上げるのは、僕ら音楽屋もよくやるオトナの手口だと感じました。特に、剣ケ峰一杯の緊張状態で落ち着いてこれができるのは、プロフェッショナルです。金メダルを取った彼女(ミキちゃんとしか覚えていない。フルネームが分からない。ごめん。)は、さすがでした。
それから、銀メダルの彼女はなんと16歳というから、日本の女子フィギュアはいつの間にこんな凄いことになったのでしょう。素晴らしい。ついでに言うなら、銀メダルの彼女は本当は金でした。金を獲らせなかったのは、アリーナに居たリズム音痴の大勢の日本人だったことは、あなたに分かりますか?日本人がもうちょっとリズム、特に二拍子(ツービート)にまともに反応できれば、つまり、ちゃんと手拍子が打てれば、彼女の演技(そう、演技ですね。試合じゃない。)は、金メダルに到達したでしょう。しかも、5位からごぼう抜きでダントツの優勝は間違いなかったでしょう。低脳なアナウンサーは、演技が終わった瞬間に、「(演技が)彼女の青春だ」と豪語していましたが、その輝ける青春を壊したのは、アリーナに居た日本人だったということです。
彼女がBGM(劇伴というのでしょうか?)に選んだのは、チャルダッシュ(Csardas:チャルダーシュとかチャールダッシュとか人によっていろいろな発音がある)というモンティ作曲のジプシー風の弦楽曲でした。この曲は、テンポを緩急自在にして、バイオリンが泣かせるところと猛進するところがはっきりした演奏が評価されます。とうぜん、彼女は、かぎりなくこの演出が発揮された演奏をBGMに選びました。(実際には譜面通りではなく、演技用に構成が若干編集されていました。)
結果的に、この伴奏曲(そう、伴奏曲だ。いや伴走曲か?)の抑揚ある素晴らしい演奏が逆に仇になりました。アリーナに居た、普段は盆踊りか忘年会でした手拍子を打たない典型的リズム音痴の日本人が、この演奏の抑揚に付いていけませんでした。BGMの音量を上回る地獄の手拍子が彼女の演技を狂わせ、技のタイミングを外させてしまいました。(あなたは、二度目のブリッジに入る時のワザがタクトと合っていなかったのを分かりましたか?)
僕なんかがライブをしていて、たまにこの手のギャラリーがお越しになることがあります。この手というのは、リズムを分かってないという意味です。演奏しにくいので、目茶苦茶な手拍子は勘弁していただいて、その分、フレーズが決まった時や曲の終わりの拍手に観客としてのエネルギーを使っていただきたいといつも思いますが、このフィギュアの画面を見ていても全く同じことを感じました。
銀メダルの彼女も、今後も同じ曲を使うなら、リットもアッチェルもほとんど無い、サビはカデンツァの倍テンポというような演奏を探したらどうでしょうか。さらにドラムやベースを加えた演奏の方が良いでしょう。金は間違いなしです。
手前味噌ながら、この曲は僕のギターのレパートリーでもあります。3年ほど前にホーム録音したのを載せておきましょう。