Category :: Django Reinhardt

ジム・クエスキン東京公演終わりましたUpdate : 2006/04/09 Sun 08:22

先週の興奮醒め止まない昨日土曜日に、ジム・クエスキンの今回のツアーの最終日となった東京公演に出演させていただきました。久しぶりの海外ミュージシャンとの共演でしたので、緊張しまくりでしたが、良い思い出となりました。感激の余韻があるうちに書き留めておきます。

内緒でステージの模様を嫁さんが撮影しました。暗い店内でストロボを一切使わなかったので全面真っ黒の写真ばかりでしたが、Photoshopでなんとか見れるレベルにまで修正しました。無断掲載(申し訳ないです)ですが、いくつかをコチラでご覧下さい。(トムスキャビンのページにも数点掲載されていました。)

ライブの前日、金沢から帰京したばかりのトムズキャビン麻田さんを電話で捕まえて、一緒に演奏する曲のリストを教えてもらいました。全部で9曲ということで、こりゃ大変だと思っていましたが、結果的にアンコールを除く全曲をステージに張り付いて伴奏してしまいました。やったことのない曲もいくつか有りましたが、そういった曲では、バックにコードが分かるように、クエスキンが丁寧にイントロを弾いてくれて、イントロが終わる頃には曲を掴むことができました。

僕は練馬の田舎に住んでいることもあって、上京して10年目で初めて現場のラカーニャがある下北沢に行きました。(上京前に、オノボリさんで一度だけ行ったことはありましたが…。)原宿竹下通りを庶民的にしたような雑踏がずっと続く活気ある商店街を抜けて横道にちょっと入った所に地味な看板を見つけ、約束の16:30に店に入りました。まだ誰も来ていませんでしたが、しばらくしてメンバーが集まり、やがてクエスキンと奥さんもやってきました。1週間ぶりに再会するやいなや、「じゃあ、ジャムセッションしよう」と言われ、ステージでリハとサウンドチェックを兼ねたセッションが始まりました。(あとで考えるとこれは曲を教えるための練習だったようです。)そして、客入れギリギリまでご機嫌でセッションを続け、本番を待ちました。

クエスキンのソロがあって、その後でステージに呼ばれて一緒にやるのだろうと思っていたのですが、いきなり最初からステージに上がるように指示がありました。この時点で、何か変だと思ったのですが、前述のように最後までステージの上にいることになってしまいました。選曲はクエスキンのオハコである、ジャグバンド時代のレパートリーやソロになってからのジャズ曲、古いカントリーソングなど、伴奏を務める僕、フィドルの次郎さん、マンドリンの太郎君には理解しやすい曲ばかりでした。また、急遽アップライトベースで麻田バンドのアランさんが加わって、たぶん今回のツアーではもっとも分厚い音のステージになったのではないでしょうか。僕は80%の演目をギター、残りでテナーバンジョーを弾かせてもらいました。ステージでテナーバンジョーを7年ぶりくらいに弾いたのですが、音のデカさと珍しさも手伝ってお客さんにウケたようです。

ステージで弾いたセルマーモデルのギターを意識してくれたのか、Oh, Lady Be GoodやSweet Georgia Brownというような曲もいきなりステージ上でリクエストされました。僕にとっては手慣れた曲ですが、歌の伴奏でやるのは初めてで、期待をうらぎってはいけないと、これにはかなり緊張しました。録音を録っておかなかったのが悔やまれます。

この手のライブではお決まりの打ち上げは階上の居酒屋の座敷でありました。いろいろクエスキンからコメントを頂きましたが、中でもクエスキンの奥さんにギターを気に入ってもらえたようで大変うれしかったです。良い思い出になりました。

さて、来週はまた大物のイアン・ウィットコムさんのバックを同じラカーニャでやります。最近こういう光栄なライブが続いていますが、しくじらないように気合い入れて頑張りたいと思います。

▼ Comments for this post

From : 鈴木カツ   Date : 2006/04/09 17:34

★昨日はお疲れ様です。ジプシー・スウィングの香りいっぱいのギター、ジャグ・バンド黄金期を彷彿させるテナー・バンジョー、最高でした!クウェスキンもバック・バンドを絶賛しておりました。昨夜の素晴らしいライヴは、一生忘れそうもありません。太郎クン(マンドリン)、次郎さん(フィドル)、そして長谷川さん(ギターー、バンジョ)は、ぼくらの誇りです。こんどはイアン・ウィットコムのライヴでお世話になります。宜しくお願いいたします。ほうとうにお疲れ様でした!

From : Hikaru   Date : 2006/04/10 02:21

カツ様
ラカーニャでは大変失礼いたしました。出番前で頭がクルクルパーになっていて、ちゃんとした会話ができなかったと思います。クエスキンのギターやボーカルが流石に素晴らしいので、ほぼジャムセッション状態で冷や汗物の演奏の方もなんとかお楽しみ頂けたようで良かったです。僕にとっても良い経験になりました。また、僕が今までやってきたことが、そう間違いでも無かったようだ、と感じました。来週のイアン・ウィットコムでも最低限しくじらなくてすむ演奏を心がけたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

From : 井筒香奈江   Date : 2006/04/20 03:32

始めまして。
私のblogにトラックバックされていたので訪ねてみました。
お恥ずかしながら、私自身はジム・クエスキンさんの認識が無く、
マリア・マルダーの共演者と言う事で友人に誘われ、聴きに行ったのですが、
「行って良かった!」と心から思わせてくれるステージでした。
ご本人はもちろんですが、メンバーの皆さんと創り上げる音・空気・色 素晴らしかったです。音楽ってこういうものだよな・・・と改めて実感させて頂きました。
ありがとうございます。
また味わいたく思っています。

From : Hikaru   Date : 2006/04/20 03:43

井筒香奈江様
トラックバック失礼しました。貴サイトも拝見させていただきました。フルタイムで活動されているのですね。
マリア・マルダーは、もちろん彼女自身も素晴らしいシンガーなのですが、彼女をサポートするミュージシャンがみんな僕好みのプレイヤーばかりなんです。そういうわけで、自分が演奏する音楽は狭い範囲なのですが、もう30年近くマリア周辺の音楽は聴いています。ジム・クエスキンもその一人ですが、格が違いますから、今回のサポートは感動ものでした。
香奈江さんとは、またどこかで接近遭遇できるかもしれませんね。音楽活動頑張ってください。

From : rekosuke   Date : 2006/04/21 19:38

はじめまして。rekosukeと申します。(とは言っても女子ですが…)
トラックバックありがとうございました。
まさか、あのHikaruさんからトラックバックしていただけるなんて、
ちょっと驚いています。
先日のジミーはとっても素敵でしたね。
Hikaruさんたちとの息もぴったり。
憧れのミュージシャンたちとセッションできることは、
大変素晴らしいことですよね~。
いろんなLIVEに行くと、オープニングアクトで演奏する日本のミュージシャンや
来日アーティストを日本のミュージシャンがサポートするステージをよく観ます。
Hikaruさんを含め、皆さんのテクニックの素晴らしさにいつも感動します。
そうそう、先日のイアンも観に行きましたよ!
こちらも、かなり良かったぁ。(ブログ更新できておりませんが…)
そして、クアトロのジャネットも行きます。
楽しみにしています。

From : Hikaru   Date : 2006/04/22 00:11

rekosuke様
コメント有り難うございます。
クエスキンのジャグバンドのアルバムは、昔から聴いていましたが、僕なんかとは畑違いだったので、実は演奏の面ではずっと守備範囲外でした。しかしながら、ソロになってからの特に最近のサモア・ウィルソンと一緒のアルバムなどは、向こうからこっちに近づいてくれたみたいで、うれしく思っていました。
それで、フリッツ・リッチモンド・トリビュートのリハをやった時ですが、「1週間後のソロ・ライブでもサポートを頼む」とクエスキン本人から急遽言われて、「じゃあ、バンジョーじゃなくてギターを弾いても良いか?」と聞いてみたら、望む所だみたいなことを言われて、この人はもうジャグバンドには拘っていないのだと感じ、一層親近感を持ちました。渋谷のイベントの当日、念のために僕のギターのデモCDを渡しておいたら、クエスキンは聴いていてくれたらしく、この日を楽しみにしてくれたらしいのです。感無量でした。
今度の24日のジャネット・クラインでは、僕らはサポートの予定が無く前座だけなので、お客になって彼女のステージを楽しめそうです。きっと楽しませてくれることでしょう。rekosukeさんも期待してください。

▼ Comment form