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ポップスやラテン、モダンジャズまで守備範囲の広いクラリネット奏者・山本太郎と、ブルーグラスやウエスタンスイング、ジプシージャズの職人的ギター奏者・長谷川光。二人の共通項であるトラッドジャズ上で、Djangoスタイルを取り入れたデビュー・アルバムです。
このアルバムの全録音は、今現在最も音の良い録音方式と言われるDSD(Direct Stream Digital)を使い、二人並んで一気に録った一発録音で、演奏の手直しを一切していません。ですから演奏自体は大変荒々しい、あるいは弱々しい部分が多分に記録されており、それがライブ感を演出しています。(録音当日は急な嵐に見まわれ、音の良さが災いし、よく聴くと雷鳴のようなノイズも残っています。)
管楽器と弦楽器は演奏に適したキー(調)が違います。このアルバムではジャンゴが弦楽器のために書いた曲を、クラリネットが果敢にもオリジナルキーで演奏しています。
ジプシージャズでのデュオ演奏では、ギターは決してソロを弾かずに伴奏に徹するのが通常ですが、このアルバムは演奏者がジプシージャズのスタイルに拘っていませんので、ギターもほぼ全曲ソロを取ります。
クラリネットとギターのデュオ演奏としては、かなりシンプルながら前例の無い取り組みを行いました。
現在、月に一回やっている西荻窪のミントンハウスでのライブの臨場感を、最上の音質と気の利いた選曲でお楽しみいただけるはずです。