15929358 visitors have come to this site since 26th April 1996.
1973年、大阪府吹田市に引っ越した僕はプラモやUコンで遊ぶのが楽しみでした。そんな普通の中学1年生のところに、ある日、新品の五段外装変速フラッシャー付きセミドロップハンドルスポーツ車、つまり当時の中学生垂涎だった最新式の自転車が東京から送られてきました。まさに青天の霹靂です。
中学1年の時、同級生の男子の何人かはギターを弾いてフォークソングを歌い出しました。それがかっこよくて僕も親にねだって、国鉄吹田駅前楽器店にて安物を一本買ってもらいました。
次の日曜日だったと思うけど、うれしくて友だちのところにギターを持って行くと、奴のとなんか違うんです。奴のは鉄弦張ったフォークギターでしたが、僕のはナイロン弦を張ったガットギターでした。それで急にモチベーションが下がって、以後そのギターを弾くことはありませんでした。
そんなこんなでもまだフォークギターに未練が有りました。ある日拾った少年サンデーの巻頭カラーページにモーリスのフォークギターが賞品として載っているのを見つけました。速攻で10円を握りしめて郵便局で葉書を買い、ギター目当てに応募するのですが、なんとその懸賞は懸賞ではなく、当時美少女アイドルとして売り出し中の浅田美代子さんの持ち歌の歌詞を作ろう!というコンテストでした。
未だに文才がなく書き物で苦労している僕ですが、普段試験前でも徹夜なんかしないのにその日はほぼ徹夜で歌詞を書き上げて翌朝投函しました。ポストの前で最敬礼したのは言うまでもありません。
そんなこんなで、作詞コンテストに応募したことも忘れていた数ヶ月後、五段外装変速フラッシャー付きセミドロップハンドルスポーツ車(長い!)が送られてきました。送り主は小学館でした。なぜ小学館から最新式の自転車が僕に送られてきたのか事情を理解しないまま、新品の自転車を半日ほど乗り回してるうちに、思い出しました。五段外装変速フラッシャー付きセミドロップハンドルスポーツ車(しつこい!)は浅田美代子作詞コンテストの特賞だったのです。モーリスのフォークギターは二位の賞品でした。
その週の少年サンデーを近所の駄菓子屋で立ち読みしたら巻末の当選者発表に僕の名前が特賞として載っていました。たしか、募集の時の触れ込みでは特賞作品はプロの作曲家が曲を付けて浅田美代子が歌うということだったのですが、そういう経緯はその後ありませんでした。広告代理店主導の大人の事情だったのでしょうか?また、控えも取っていないので、プロットは覚えていますが、未だにどんな歌詞を応募したのかちゃんと覚えていません。(浅田美代子さんのアルバム等を全て聴いていないので分かりませんが、もし中学生の書いた詞を改作して自分の作にしているような作詞家が居たとしたらカッコ悪いですよね。)
創作物はバックアップが大事だということを13歳にして覚えました。
どうでもいいですが、なかなかギターと縁ができない中学時代でした。