Paris Swing MS-130 Mandolin (2007)

My Own Musical Instruments

Paris Swing MS-130 Mandolin (2007)

中国製だけどアメリカのブランドのちょっと面白いフラットマンドリンです。

ロックバンドでグラミー受賞したこともある、アメリカを代表するジプシージャズギタリストJohn Jorgensonさん（氏のブルーグラスマンドリンも素晴らしい）の監修で、マカフェリギターのデザインをFスタイルマンドリンに組み込み、Paris Swingなどというその気にさせるブランド名で一時期海外市場に出回りましたが、中国製とはいえ、そこそこ高い値段で売られていました、後述する理由のためか、海外オークションから新品をジャンク品扱いみたいな値段で落札しました。

組み込まれたマカフェリデザインは、大きなD型サウンドホール、直線的なカッタウェイ部分、セルマー風のスネークヘッド、バインディング無しの指板（黒バインディング）、ナチュラルカラーetcです。

Gibsonの丸穴マンドリンに似たファットでソフトなサウンドキャラですが、サウンドホールが大きいので低音は更にヘビーです。往にしえの丸穴マンドリよりも強く弦にテンションが掛かるように設計されているため、丸穴にしては音量も比較的あります。

ただ、この設計は未熟で、ほとんどの個体が不良品でした。サウンドホールが大きすぎて弦のテンションを表板がちゃんと受け止められずに、いわゆるトップ落ちが100％の確率で起きます。演奏不可能な状態になります。製造が終わったのはそういう理由もあると思います。

その設計不良が入手後すぐに露見しましたので、サウンドホールの左右に小さいブレイスを追加しました。とりあえず演奏可能な状態を維持できていますが、トップ落ちが解消されたわけではないので、近々根本的な修理をしようと考えています。