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Teddy Bunnというギタリストは、戦前ジャズ、いわゆるトラッドジャズ愛好者には説明が必要無いくらいの重要人物です。Summertimeという超有名曲がありますが、同曲の作者であるSidney Bechetのオリジナル録音でのギター奏者だと言えば、ジャズファンなら、へぇそうか、くらいは相槌するでしょう。
戦後はエレキギターを弾いてR&B寄りのセッションマンになってしまいましたが、戦前はアコースティックギターでシングルトーンのソロを取る数少ないジャズギタリストとして、数多くのセッションに参加しました。Charlie Christianが電気ギターでジャズのソロを取り出してもなお、Teddy Bunnはしばらくはアコースティック・ギターでの演奏を押し通しました。
アコースティックギターでの活躍期がDjango Reinhardtとほぼ同じため、僕は以前よりかなりTeddy Bunnを追いかけて聴いています。それで、ディスコグラフィなるものを作ってみました。ジャズ方面だけではなくブルース方面でのセッションも少し入っていますが、現在僕が知る限りの全てのセッションだと思います。よろしければご覧ください。(そして不備がございましたらご一報ください。)
⇒ Teddy Bunn Discography 1929-1952
アコースティックギターでのシングルトーンなジャズ・ソロは1920年代のEddie Langが嚆矢とされていますが、その系統はヨーロッパ方面のジャズ演奏に波及して行き、フランスのDjango Reinhardtのプレイで開花しました。しかしながら、本場アメリカにおいても、ヒルビリー方面でWestern Swingスタイルとして結実し、本家トラッドジャズでは電気ギターの陰で地味ながらも、このTeddy BunnやArt Ryerson、Tony Mottola達の努力により美学が究められました。
普段はジャズ・マヌーシュしか聴かないジプシージャズギターファンの皆さんにもTeddy Bunnはお勧めです。Django ReinhardtがStephane Grappelliと袂を分かった後に行った演奏に共通性を見いだすでしょう。