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本サイトは、本日開設20周年を迎えました。10年前、将来20周年時には累積アクセス数が1000万に達すると考えていましたが、予想よりも100万以上少ない結果となりました。アクセス数を稼ぐようなサイト運営を行っているわけではありませんので、昨今は更新の頻度も少なく、WEBMASTERの音楽活動のお知らせの掲載がほとんどという運用ですが、こうやって長い間続けてこれたのは、理解ある家人と親愛なる友人、そしてコメントや書き込み、ファンレターなどをくださる皆さんのおかげです。ありがとうございます。
何度もこのBLOGに書いていますが、1分1円という20年前としては安価な接続料金ながら、サイト開設が無料でできてUNIXシェルまで開放してくれていたat-m.or.jpのサーバ上に、今と同じ名称、「SHOW BY BANJO」でサイトを開設しました。たぶんですが、ブルーグラスやその手のルーツミュージック系では国内で一番古いサイトだと思います。当時のサイトをアーカイブしていますので、左にあるスクリーンショットをクリックしてみてください。
at-m.or.jpを1年ぐらい利用したのですが、ダイアルアップ28800bpsという劣悪な接続環境に嫌気がさし、その後、自宅サーバの走りでしょうか、OCNのISDN専用回線を自宅に引き、Linuxサーバと格闘しながら、独自ドメイン(banjo.boya.to)で運用を始めました。その後、ISDNも速度不足を感じ、回線をADSLからさらにFTTHにアップグレードして、レンタルサーバにこのbanjo.officeboya.jpを設置しましたが、レンタルサーバ会社の理不尽なサービス低下を機に再度自宅にサーバを置き、今度はFTTH専用回線を別に引いて自宅サーバを構築し今に至っています。
20年前というまだまだコンピュータが家庭内に入り込む余地が少なかった頃に、僕がサイトを始めた理由は、個人で情報の発信をしたいというありきたりの理由の他に、ちょうどその頃、上京して新しい仕事を模索していた時期であったために、新たなスキルを得たいというのも大きな理由でした。
とくに、1990年にBela Fleckというバンジョー界の巨人が来日した時に、彼らが便利そうに使っていた初のポータブル型Macintosh、つまりPowerBookを楽屋で目の当たりにした瞬間から、僕の人生が変わりました。それまでは演奏することを生業としていましたが、数カ月後に自身がPowerBookを手に入れてからは、コンピュータ上で音源や音楽を作る方向に生業がシフトされました。
折よく、通信カラオケなるMIDIを利用したカラオケの勃興期(注:それ以前は8トラというでっかいカートリッジ型のテープを使用していた)で、そのデータ作りを外注で受注したり、DTP黎明期でしたが、細かい仕事をマック上で広告や雑誌の版下を作らせてもらったりと、今思えば、自分自身のスキルアップが社会のデジタル化と共に進んでいたようです。おりしも神戸の震災で関西での演奏の仕事が激減し、製作と演奏の二足の草鞋も破綻をきたしたため、上京して演奏はひとまず休止し、何かさらにコンピュータを使って永続的にできる仕事がないだろうかと考えていた時に、勉強のために始めたのがこのサイトです。つまり、今で言うところのWEBデザイナー(自分自身はデザイナーではなく、もっと広義にクリエイタだと思っています)に目星を付けたのでした。そして、約5年間はほとんど演奏らしきことをしないで、コンピュータを使った仕事を覚え、実際にそれだけで生活できるようになりました。DTP製作のフローもほとんども覚えましたし、ネットワークのイロハやソフトウェアのプログラミング、関連書籍の執筆など、この5年間のスキルアップは自分ながら大した物だと思います。そうして、2000年前後に演奏を再開しましたが、それ以降は、関西在住時代のようなエーギョーのための音楽ではなく、本当に自分が幸せになれる音楽だけを演奏することを心がけています。
最近は演奏活動を再びそこそこ数をこなすようになり、ネットメディアの製作頻度が少なくなりましたが、演奏活動のバックボーンとしてWEBやSNSを個人では最大限に利用できていると思います。また、演奏の記録、つまりアルバムのリリース等も、蓄えたコンピュータスキルを縦横無尽に駆使して製作を行っています。これらは、今やアタリマエのこととなりましたが、時流とともに20年続けてきたことに対して、自分を褒めようと思います。また、皆様に感謝する次第です。あと何年続けられるか分かりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。