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前日にサモア初到達を果たし、今日ももちろん行くつもりで一日の予定を考えた。サモアの入場は夜8時頃からなので、それまでをどう過ごすか、それが問題だった。同行の家族一行は近郊のディズニーランドへ行くということで誘われていたが、元の職場のような場所にお客で行くような気持ちにはなれないので、僕だけ別行動ということにした。
サモアのフェスには公式なキャンプサイトというがあって、それはフェス会場から数キロあるいは十数キロ離れたところにある。30年も前からブルーグラスフェスを経験している自分は、この感覚が分からなかった。フェスとキャンプサイトは隣接しているのが当たり前だからだ。で、噂に聞くサモロー(サモルー?)のキャンプサイトに行ってみることにした。
Melunのモーテルから散歩がてらMelun駅まで2キロほどの道のりを歩いてみた。この旅の後半もそうだが、iPhoneのGPSがかなり役に立った。居所の近所はウロウロするべきで、この徒歩で、モーテルの直ぐ側にディディエール・ロックウッドの学校があることが分かった。また、日本では見られない美しい風景も十分堪能できた。
Melun駅は一応鉄路の拠点で、パリから南下した近郊鉄道はここでセーヌ川の東西に二股に別れる。サモアはセーヌ川西側のフォンテンブローに近い場所だが、これから向かうサモローは東側だ。しかも、Melunからサモアへの直線距離と比べるとMelunからサモローは2倍近い。初めての外国で鉄路一人旅は緊張しぱなしで切符を買うのも苦労したが、無事サモロー駅に降り立った。
電車を降りて反対側のホームに渡り、やって来た電車を速攻で撮った。鉄分が多い写真だが、僕はテッチャンではない。
サモローの駅舎は見た通りの無人駅。駅前には商店一つ無い閑静な住宅地だ。ここから牧場のようなキャンプ場まで別荘地のような土地の中を20分ほど歩いた。iPhoneは非常に役に立つ。
キャンプ場での風景はビデオカメラで撮ったので写真に納めていない。後日機会があれば載せてみようと思う。文章だけで申し訳ないが、昨日のサモア初入場よりも感動したサモローのキャンプ風景を述べてみる。
まず、フェス会場には行かずに数日間をここで過ごすクレイジーがたくさん居たことに驚いた。箱根のブルーグラスフェスで決して川を渡らないオールドタイマーが居るというのを聞いたことがあるけれど、お祭りよりも、自分がジャムセッションを如何に楽しむかというのを目的にフェスの時間を過ごす人が少なくないのは洋の東西を問わないようだ。フランス人以外にもアメリカ人やイギリス人がたくさんキャンプしていた。さすが、マヌーシュの人は立派なキャンピングカーで家ごとここに移動して来ていた。有名なギタリストでマヌーシュ系では僕が一番好きなファピー・ラファルタンもここに居てリラックスしたジャムを聴けた。他にはシャドーズ(ベンチャーズと同じくらい大昔にブレークしたエレキバンド)のハンク・マーヴィンもジプシージャズにはまっていて毎年ここにいるようだ。
キャンプ場横のちょっとしたカフェでもジャムが繰り広げられる。マヌーシュの演奏は若くてもさすがに凄い。それに比べると、キャンプしているフランス白人やイギリス人の演奏は聽く気もしなかった。
ディスニーランドに行った同行家族とサモアで合流する予定でサモローに来ていたのだが、電話すると今日は疲れたのでもう行かないと言うので、Melunからモーテルまでのアクセスを考えてこの日のサモアは断念した。ここからサモアまではヒッチハイクで行けたとしてもサモアをゆっくり楽しんで帰る足が無くなるからだ。まして、サモアでタクシーを拾えたとしても一人で60ユーロはもったいない。今日のところは降参して、来た道をそのまま戻ることにした。モーテルでウエスケ冷えてないシャンパンを飲んで爆睡。