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このギターはCiganeというブランドのGJ-10という製品で、6年くらい前にアメリカのオークションでケースより安く落札した中国製超廉価ギターです。コストを下げるために工程を減らしたかなり安普請な製品ですが、形状や構造等はヨーロッパ製レプリカを研究して、一昔前のマカフェリコピーとは比べ物にならないくらい完成度高いです。なので、出音もそこそこです。
しかし、落札してみたものの、見た目がかなり安っぽいのでサブギターとしてステージで使うのも憚るような状況で、6年間オブジェとして壁に吊るしっぱなしでした。これではちょっとかわいそうだと1年くらい前から考えていて、ようやく対応を決めたのが今年のお正月でした。その内容は、1)塗装をフレンチポリッシュで塗り替える。2)8弦4コースの楽器に改造する。の二点です。2月末くらいからゆっくりと作業に入りました。
まずは、ネックを両端から6mmずつ削って細くする工作でした。
ロゼットが印刷というのも情けないので、次に、薄いチーク材とバルサ材をバームクーヘン状に接着してロゼットを作りました。これをトップに埋め込んで、トップの塗装を剥がしました。
ヘッドストックに化粧板を貼って、真ん中のペグ穴を埋めました。マンドリンの4連ペグを装着する予定ですが、両端のポストの幅寸法が3連も4連も同じでラッキーです。
8弦マカフェリ用のテイルピースは存在しないので、スクラッチで自作しました。0.8mm厚の真鍮板を切り取り、叩いて整形し、必要な穴を開けました。
ストリングポストは電子基板用のスペーサと呼ばれる真鍮ネジを応用しました。弦を通す穴を開けた後、六角形の断面を丸く円筒形に面取りしました。
本体の鏡面仕上げの後にマホガニー材で化粧板を作って接着しました。(単なる化粧板ではなく、構造力学上の補強板であることも今回分かりましたし、材質が音色にも影響すると思います。)
やはり、ブリッジも自作しなければなりませんでした。
そうこうしているうちに、注文してあったシェラック樹脂フレークが届いたので、アルコールに溶かして塗装の用意もしました。
いよいよ、表板とネック、ヘッドストックの塗装です。シェラックを使ったフレンチポリッシュという方法で行いましたが、やり方に興味がある方は、詳細を他サイト等でぐぐってみてください。
塗装が終われば、作業は終ったも同然。フレットを打って、ついでにボディの中に貼るラベルも自分のオリジナルに張り替えました。
作業終了した楽器はこちらで紹介してます。⇒ Maccaferri style Bouzouki