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最近でこそウルトラライトだのセミハードだの軽くて取り回しの良い楽器用のケースが選り取りみどりだが、20年も前なら、大事な楽器は重たいハードケースに入れて持ち運ぶのは当たり前だった。それも自動車移動ができるお金持ちや社会人ならそんなに苦労はしなかったと思うが、電車移動必須の貧乏人や学生はハードケースを持っての移動で体力を消費してしまい、演奏に割り当てるエネルギーを損していたのではないかと思う。
そんなハードケースは、それ自体も消耗品だ。電車移動・徒歩移動を繰り返すとハンドル部分が必ず壊れる。特に中身の楽器が重いほどこれは顕著だ。バンジョー弾きなら分かるが、ハンドル部分の予備を常に持っておきたいほどの負荷がそこにかかる。
もう30年以上も前から使っているバンジョーのハードケースが数年前に壊れたっきりそのままにしておいたのだが、この連休に修繕してまた使えるようにしようと思いたった。ヒンジ部分が完全に破壊されていたので、注文しておいたヒンジパーツにまず交換した。そして、ハンドル部分。交換用のハンドルパーツも幾種類か購入できるのだが、バンジョーケースに付けて安心なのがほとんど無い。輸入品であるのだが送料を入れるとケースを買えるほどになってしまうので、ここは自作することにした。
吉祥寺のユザワヤに行ってグローブ革の細くて長いのを買ってきた。これを加工してハードケースのハンドルにしようという目論見だ。1周目は革の真ん中に穴を開けてビスナットで固定し、受け金に2回通した。バラバラしないように瞬間接着剤で接着した。
革の残りの部分は受け金に通さずに上に盛って行く。この部分も瞬間接着剤でくっつけて、クランプ数個で数時間固定した。このクランプはダイソーで1個100円なのでたくさん買ってある。本格的楽器製作にも使える便利な道具だ。クランプしている間、瞬間接着剤がそろそろ乾いたかなと感じた頃に全体を水で湿らせた。革は湿気るとその時の形に固まるからだ。乾くまでこのままクランプしておく。
クランプを外したら、端切れで買っておいた100円のスエード革を全体に巻きつけ接着して作業終了。接着剤が乾いたら、持って歩ける。革のハンドルなのでクッションも有って持ち心地がなかなか良い。
修繕の最後に、汚く破れている表装をリペアすることにした。表装は大昔は革のように型押しした紙だったが、この40年くらいは合成革つまりビニールのような素材が使われている。長く使っていると、何か物に当たったり、地面を引きずったりして何箇所も剥げ、ところどころ、中のベニヤ板が見えてしまう。その部分に写真の接着剤を塗布して1時間くらい放っておくと、乾いて偽レザーのように変化し、とても綺麗になる。写真のエッジ部分長さ10センチ以上に渡ってこの処置をしたが分かるだろうか?禿頭に振る黒い粉は1日しか持たないが、これは長持ちしそうだ。
以上、連休の時間つぶしである。じつはまだ修繕をしないといけないケースがたくさんある。次の暇な連休はいつだろうか。。