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サモアのフェスは日曜日もプログラムがあるのだけれど、渡仏同行ご一家はもうサモアに行かないみたいだし、昨日のように最終バスを気にしながら中途半端な時間にフェスを去るのも悔しいので、残りの日程を単独で行動させてもらえるようにお願いして、Melunにあと一泊するはずの予定を僕だけキャンセルしパリに単独移動した。Melun駅からパリ・リヨン駅までの移動は急行に乗れば30分ほどだし、電車移動は三回目で慣れていたので全く苦労なし。ただ、初めての外国旅行で単独泊は苦労して当然と覚悟していたので、パリ在住の旧知の女子に連絡を取ってホテルだけリザーブしてもらった。リヨン駅まで彼女は迎えに来てくれて、ホテルまで同行してくれた。無事チェックインが終わっったが、なんとエレベータ無しの5階の部屋。窓から写した風景が右の写真。高所恐怖症なので、お尻を後に突き出しながら撮影。魔女の宅急便て、こんなんだったかな。
このホテルはパリ市内南東のヴォルテール駅から徒歩2分という好立地で料金も安いことから、日本人団体旅行客がたくさん投宿していた。喫煙者にとって階段で5階まではさすがにきつかったが、(パリでは当たり前なのかもしれないが、)禁煙と言われていた部屋にさりげなく灰皿が置いてあったのはうれしかった。
東京や大阪では慣れっこだが、パリでもたくさんのホームレスを見た。良質な段ボール箱とブルーシートが無いのがその理由かもしれないが、ちゃんとテントを張って野宿していた。いつの日か、青く四角い家の作り方をフランス国民に伝授しなければならないと思った。
アソウ君の鼻息が荒かったから、噂には聞いていたが、日本アニメ関係のショップも目についた。ただ、お店のディスプレイにあるのが、キティちゃんとマジンガーZというところが、やはりフランスはアニメ後進国なのだと感じた。アソウ君の対外経済政策もまんざらインチキでは無かったようである。
パリで一人のディナーはメトロの出口の目の前にあるカフェでローストチキンとビールにした。渡仏後、鶏を食していなかったので、危険を顧みず、どうも試したくなった。率先して不味いものを食べることは自分にとって危険であり、屈辱である。小さいながら、味付けなしでいい具合にローストされたこの哀れな丸一匹の雛鳥を、塩コショウと共に食卓に出されたマスタードをたっぷりつけて味わったが、予想に反して大変美味しかった。日本で大量生産されている鶏の不味さ・臭さを改めて確認できたのはうれしい。
旅の東洋人に供された鶏が骨だけになる頃、パリの街はようやく夜らしくなってきた。22時半頃だったか。パリのカフェは12ユーロ以上ならどこでもクレカが使えるので、言葉通じぬ失礼を勘弁してもらい、カードを見えるように振ると、携帯式クレカ読取請求マシンを携えてムッシュがやって来た。パリの食事は簡単である。
スーパーマルシェ(マーケット)でボルドー一本3.9ユーロ也を買い込んで、ホテルの部屋で完飲の後、感動の単独パリ初夜を酔夢の向こうに押しやった。