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僕らのブルーグラスやジャズの世界では、マンドリンと言えば背中の丸っこいアレじゃなくて、F穴の開いた平べったいヤツのことを言います。僕、バンジョーは14歳から弾いていますが、実は15歳の時からマンドリンも弾いています。
高校1年生、初めての冬休みに初めてのアルバイトをして買ったのが春日のフラットマンドリンでした。大学の入学式の時にはバンジョーを持って行ってブルーグラス同好会のジャムに参加したナマイキな新入生でしたが、先輩のマンドリンを取り上げてRawhideやNew Camptown Raceを弾き出すという更に礼儀知らずの18歳でもありました。
しかし、今はまともに演奏できる楽器を持っていないし、次に挙げる理由で、マンドリンは他人のをたまに触るくらいで、僕はそれを使って音楽をしていません。
【マンドリンを弾かない理由】
・高音が癇に障る。(同じ音域でもバイオリンはいいのになぁ…)
・音が伸びない。(ギターならビブラートできるのに…)
・いくら速く弾けても素人にウケない。(バンジョーの速弾きならウケるのに…)
・カット(コードをミュートぽく弾いてリズムを出す)奏法がダサいと思う。(リズム屋やるならスネアドラム叩いた方が良いのに。マンドリンはメロディ楽器だと思ってた…)
・弾いている姿も音も、とにかく貧乏臭く、かっこわるい。
なぜ、こんな恵まれない楽器を一生懸命弾いているのでしょうかね?特にブルーグラスの人は。クラシックのマンドリンなんてそれ以前の話で、チロリロリンとトレモロ鳴らして澄ました顔で弾いている姿(←衣装はドレス着たりタキシードだったりする)を見るだけで、僕はなぜか笑ってしまうのですよ。ギターとかバイオリンを弾いた方がかっこよいのを本人は分かってないのか?と疑問が沸きます。
でも、前述のように僕もこの愛すべき楽器を長きに渡って弾いているので、普段触ってなくても、そこそこ弾けてしまうわけです。これはもったいないと思って、上記問題に対処すべく解決方法を考えてみました。
【僕が納得してマンドリンを弾くための方法】
・高音が嫌なので、調弦を下げる。マンドラくらいが限界です。つまり、1弦がA。
・音を伸ばすために、ビブラートで表現する。このためには複弦は邪魔。単弦にして4弦だけ張る。
・チロチロ無駄な速弾きはせずに、チョーキング・ビブラートと分散和音でソロを構成する。トレモロなんてとんでも無い。
・カットもとんでもないので、コード感溢れるストラミングをする。
最後の「弾いている姿も音も、とにかく貧乏臭い」は対処不能です。今まで見たマンドリンプレイヤーでかっこよかった人は居ません。あのサム・ブッシュだって、マンドリンじゃなくギターを持ってたらもっとかっこよいのにと思いました。だから、これはパスです。しかたありません。
で、今年はひとつマンドリンをちょっとステージで弾いてみようと思いました。クラシックは素養がありませんし、ブルーグラス・マンドリンを今更僕が弾いてもつまらんでしょうから、その他のメロディを全然違うアプローチでやってみたいと思います。
昨年になりますが、その名もずばり「マンドリン」という書籍が図書館の新刊としてありましたので、早速借りて読んでみました。ヨーロッパでの歴史に留まらず、マンドリンという楽器をブルーグラスやショーロ、はたまたバラライカやドムラにまで軽く言及してある良書でした。その本を読んでいろいろ知らなかったことが分かりました。ギター属とマンドリン属の決定的な仕様の違いはサドルブリッジ仕様かテイルピース仕様かということです。後者がマンドリン属なんです。ポルトガルギターやリュートがいくらマンドリンに形が似ていても、テイルピースを使っていないのでギター系の楽器だということなんです。それから、イタリアのマンドリンも成立の過程で、いろいろな流派があって、楽器の仕様や調弦など何種類か存在するということでした。また、現在マンドリンと言えばトレモロですが、その奏法の発明は比較的新しく、トレモロをするためにマンドリンが発明されたのでは無いということや、ベートーベンやモーツァルトの時代には調弦自体が違っていて、現在の楽器で譜面をそのまま弾くということがおかしいことも分かりました。マンドラやマンドセロという楽器もバイオリン属による管弦楽に対抗するために近代になって考案されたものだということも目から鱗でした。要はつまらない楽器だけど、楽器制作者と演奏者、作曲者の愛によって、マンドリンは生き残ってきたということなんです。元々はリュートなんかが難し過ぎたので、代替えのインスタント楽器としての存在意義の方が多かったようです。読めば読むほど哀れな楽器だなと思いました。
僕自身はマンドリンという楽器をこういう風に思っていますが、けっして演奏家や楽器自体を見下しているわけではありません。愛を持って行く末を見守っています。ツッコミ無きようお願いします。
特にマンドリンが好きとか嫌いとか思いませんが、あまりにも酷い言い方だと思いますよ。あなたがどう思おうと勝手ですが、web公開する文章にマンドリンプレイヤーに対する侮辱を含むべきではないと考えます。
あなたは文末に以下の様に書かれていますね。
「僕自身はマンドリンという楽器をこういう風に思っていますが、けっして演奏家や楽器自体を見下しているわけではありません。愛を持って行く末を見守っています。ツッコミ無きようお願いします。」
見下していなくてもプレイヤーを冒涜していますよ。いえ、見下していると取れる内容の記述が至る所に書かれています。文末のコメントからすれば、あなたの意図していない論述が展開されていますね。今一度推敲されては?文章を。
愛があるというのは理解しましたが、本当に酷いです。
もう4年前の記事ですね。侮辱をするつもりで書いていませんが、これを読んで侮辱と感じる匿名のあなたは、もしかしたら、そのものずばりのマンドリン・プレイヤーさんなのでしょうか。
かっこいい・しびれる、と思わせるスター・マンドリン・プレイヤーの出現を待ちます。そういえば、古いフレッド・アステアの映画でマンドリン奏者をこきおろす名作がありましたね。あれも脚本の推敲がひつようでしょうか?