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1950年代にポップス界でヒットを連発したギタリスト、或いはマルチトラック録音のパイオニア&エンジニア、Gibson Les Paul Modelの発明者として多彩な経歴を持つミュージシャンであるLes Paulは1936年にブルース歌手のバックで、泥くさいアコースティック・ギターを演奏したのが初録音です。元々は、ヒルビリー出身でRuberb Redと名乗り、ハーモニカ&ギターで弾き語りをするコメディアンに近いエンターテイメントをしていました。根っからのギター小僧であった彼は、戦前に早くもDjango Reinhardtの演奏に感銘を受けDjangoのスタイルを摸倣し、自然とジャズを演奏するようになりました。そして、自分でマグネット・ピックアップを取り付け、改造した電気ギターを駆使し、自分のギター・トリオを結成しました。彼が有名になったのは、トリオでBing Crosbyのバックを努め、「It’s Been A Long Long Time」が大ヒットしたことがキッカケでした。トリオの成功で大金を手にした彼は自宅にスタジオを設け、多重録音の研究に始めました。そして、その頃結婚した妻のMeryのボーカルとトリッキーなギター演奏をそこで録音し数多くのヒット曲を出すことになったのでした。
ミュージシャンでありながら、演奏を超えたテクノロジーを他人に頼ることなく編み出した執念とマニアックな性格は、私も見習いたいと思います。また、戦前のLes Paul Trioはとても大好きなコンボの内のひとつです。