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苦労しながら塗装を剥がしていたGITANE DG-255ですが、少し時間ができたので、一気に表板のリフィニッシュと、その他の部分の改良を行ないました。とても良い楽器になったと思います。(→右画像/クリックで拡大)
作業が終わって弦を張り、右画像の下のようになりました。塗料は、ニトロセルロース入りのいわゆるラッカーに、ほんの少しオイルステインを混ぜたものをラッカーシンナーでかなり薄めに溶いたものを約10回吹いて仕上げました。耐水ペーパーで水磨ぎしたあと、2種類のコンパウンドで研磨しています。上のオリジナルの状態と較べると分かりますが、着色がより一層自然な感じになりました。塗膜が薄いので、徐々に木目が盛り上がってきています。
まだ完全にラッカーが乾いているとは思えませんが、元の塗装の時よりも、やはり音の抜けが良いです。以前も、音量はありましたが、中で何かが詰まっているような感じがしました。再塗装後はそれが無くなりました。
テイルピースに飾りで付いている黒いプレートもプラスチックの物から、縞黒檀に変更しました。これだけでも音質が変わりますので、音質改善の最初の一歩として、皆さんも試されると良いのではないでしょうか。
ブリッジは先日改良したものをそのまま装着しました。しかしながら、塗膜が薄くなった分、弦高が低くなってしまいましたので、近日中に新しいのを作る予定です。
もうひとつ改造した部分が、上画像のペグヘッドのスリットのザグリです。左側のオリジナルでは、直線的にザグられていますが、これはマリオ・マカフェリ氏がセルマー社の在籍していた頃の主力モデルである、大きいD型サウンドホールが空けられたマカフェリギターの仕様です。マカフェリ氏退職後の小型楕円型サウンドホールのいわゆるセルマーギターでは、この部分が曲線的にザグられて着色されていることが多く見られますので、右画像のように削り直してみました。
他に、フレットの断面が奇麗な曲線になるように調整して、メタルポリッシュで磨き上げました。これで、ビブラートやチョーキング、スライドが気持ち良くできるようになりました。(しかしながら、フレット自体の形状、特に高さが気に入らないので、近い将来に打ち換えます。)
次回、10月26日のライブは、この楽器をこの状態で使ってみるつもりです。どんな風に聴こえるでしょうか。
残された改善点は、ペグの交換とブリッジの再製作くらいです。これらは部品交換ですから、パーツさえ用意できればいつでもできますので、気が楽です。年内には一連の作業を終えたいと思います。