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僕は、デスクワークが多くなると、ノイズの多い昼間ではなく、深夜に作業をします。最近ではネットラジオをバックに仕事をしています。今でも言うのか知りませんが、これは、ながら族というのでしょうか。ネットラジオがこんなに普及する前は、NHKのラジオ深夜便というのをよく聞いていました。月に何回かはカントリーやブルーグラスが流れる日もありましたし、下品なタレントDJではなく、落ち着いたベテランのアナウンサーがパーソナリティですから、落ち着いて仕事ができました。気がつけば、朝の邦楽の時間になっているということも珍しくなかったです。
夜中に一人で仕事をしているとお腹が減るのですが、そんなある日、ラジオ深夜便で目からウロコの料理を知りました。
ラジオで料理の実況放送をすること自体、ジュージューとかカチカチとか聞こえてくるだけで、アナウンサーが火の通り具合を克明に解説しても、メディアとして馬鹿げていると思うのですが、ミッドナイトクッキングというコーナーが、なぜかラジオ深夜便にありました。(今でもあるのでしょうか)たぶん、料理スタジオでの録音だと思いますが、料理人というよりは主婦に毛が生えた料理専門家とアナウンサーが掛け合いで簡単な料理の手順を伝えていました。
なぜか、その夜は炒飯でした。炒飯ぐらい、オッサンと言えども40年以上も生きていれば、レシピなど知らなくても作れるわけで、(実際、何度となく作っていましたので、)放送を聴いている自分は馬鹿らしくなりました。しかし!聴いていると、なんと合理的で安上がりで簡単な作り方なのか、と感動し、忘れないうちに、だいたいのところをメモしてしまいました。ラジオでレシピを手に入れるとは思いませんでしたが、以後、それはアレンジされて僕の得意料理となってしまったのです。以下に手順を書きます。
炒飯の主役はご飯です。一般には残った冷や飯を炒飯に利用することが多いのですが、本当は炊き立ての方が美味しくできます。冷や飯の場合は電子レンジで、炊き立てくらいに温めておくと良いです。ここでは2人前ということで、お茶碗2杯分のご飯をボールに入れて電子レンジで温めました。
他の材料として、普通は焼き豚のかけらや、下手するとナルトの細切りなども入れる人もいますが、ここでは入れません。喫茶店のピラフではありませんので、ハムやニンジンを入れるような暴挙も慎みましょう。ネギを少々で十分です。白ネギの場合は、3ミリ四方くらいに細かく刻みますが、青ネギでしたら、普通の刻みネギで良いです。また、ここでは香り付けにピーマン半分を細かく刻んで用意しました。
ラジオで聴いて目から鱗だったのは、卵の調理法ですが、さらに僕はアレンジしました。
1人前につき、卵一個、2人前ですから2個をボールに割り、僕の方法では、この時点で卵に味付けします。2人前で塩を小さじ半分、白コショウ少々、味醂小さじ1/4を卵に加えて、よく攪拌しておきます。後で中華鍋を振るときには味付けしませんので、ここで塩味が決定します。
中華の基本は火力と材料を入れるタイミングなのですが、家庭用のコンロでは絶対に上手にできません。しかしながら、この炒飯は誰が作っても上手にできます。そこにこのレシピの凄いところがあります。
中華鍋に普通の油を深さ5ミリ以上入れて温めます。また、ゴマ油も2滴ほど足しておくと良いかもしれません。フライバンは油を溜めることができませんので、お勧めしません。中華鍋でやってください。油から煙が出る一歩手前まで油を熱くして、さきほどの卵を全部入れます。煎り卵の要領で鍋の中で少しだけかき回しますが、半熟の状態で、油ごと用意した暖かいご飯にかけます。けっして卵を完全に炒めてしまわないことが、ここのポイントです。
中途半端に炒めた卵をかけたご飯をお箸でかき回します。卵かけご飯の状態になるまで執拗にかき回し、同時に、ご飯ツブの塊がなくなるようにしておきます。パラパラとした本格中華の炒飯みたいにするために、ここを適当にやると美味しくできません。
かき混ぜが終わったら、中華鍋を温めて、そのまま全部を中華鍋に戻します。このとき、油を敷く必要はありません。さきほどの油がまだ残っているのと、ご飯にたくさん油がまぶされているからです。
炒飯を作るときの難関が、いかに焦げ付きを無くすかなのですが、この方法でやると、焦げ付いたことはありません。お焦げがあると、それは炒飯ではなく、焼き飯と呼びます。
よく、中華スープなどを味付けとして炒飯に使うと思っている人がいますが、間違いです。ピラフはコンソメで炊き込みますが、塩とコショウだけで炒めるが炒飯です。どうしても中華スープを使いたい場合は、生卵の状態の時に塩を減らして入れてみてください。(きっとまずいです)
そして、全体に火が回るよう中華鍋を振ります。オタマでかき回すよりも、5、6回振るだけの方が、熱い空気をご飯の中に閉じこめることができて美味しくできます。僕もようやく左手で鍋を振れるようになりました。
そして、ネギやピーマンを加えて2、3回振ります。ここで炒めすぎると失敗です。ネギやピーマンは生で食べるつもりでいてください。そして最後に黒コショウを少しだけ振って2、3回振り、火を止めます。
温かいご飯で作るわけですから、そのままでも食べられるわけで、炒めすぎてご飯が硬くなったり、ネギやピーマンがしおれてしまうのだけは避けましょう。
以上で終わりです。ご飯に薄く卵の膜がついて黄金色に輝く、中華街の炒飯にも負けない美味しいチャーハンの出来上がりです。実際に、練馬の田舎ですが、家の近所のどの中華料理屋よりも本格的な炒飯に仕上がっています。
塩味が薄いと感じた向きには、醤油やソースではなく、塩やコショウを追加でかけてください。次回からは、卵に入れる塩を増やしても良いでしょう。しかしながら、中華のコツは味を薄めに作ることです。食べる人が後で調味料を足せる余地を作っておきましょう。
ごちそうさまでした。
な~るほど。
卵を半熟してからご飯にまぶす技がありましたか。
普通の作り方では、卵とご飯をほとんど時間差なしで投入しますが、僕がやる
もうひとつの手順は、ボールのご飯に溶いた卵を生で混ぜてしまうやりかた。
いずれにせよ、家庭の火力では2人前までしか作れないということに気づいたので
家族の分をつくってから、自分の分はそのあとで作ってます。
ほー。結構マメに夜食など作ったりしてるんですね。ワシは、あまり料理を作ることが好きじゃなかったのですが、フェスに行ったりして、料理作ると、みんなおいしいおいしいって(嘘なんでしょうが)食べるので、作るのが楽しくなりました。それと、これから先、家人などから見放された時にご飯が作れないと困るので、いやにならない程度に時々は飯を作る事にしています(^_^;)。