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今夜の晩酌は、テッチリで、最高の焼酎「村尾」を戴きました。余程の味音痴でなければ、どんな人でも、どんな立腹もこれで治まってしまうでしょう。
「村尾」は鹿児島県川内市の村尾酒造で作られる至高の芋焼酎です。限定数しか出荷されないため、定価2千円強ながら、末端価格数万円という、とんでもないレアな焼酎です。そのレア物は、うちの取引先のご好意で、先月プレゼントしていただきました。先月の僕の誕生日に開けるはずでしたが、いろいろな事情があって、今夜までお預けになっていました。
テッチリは、ご存知のようにフグの水炊きです。テツは、フグ中毒で命を落とす人が多いことから、「よくあたる」の意味で鉄砲を指します。また、チリは明治時代にできた言葉で、水炊きの中の白身魚がチリチリと縮む様子から来た言葉のようです。フグ中毒は、メスの卵巣にある毒が原因で、免許を持つプロがちゃんと調理すればほとんど心配は無いようです。まれに素人グルメが自分で調理をして、大変なことになるわけです。
実は、夕方、近所のスーパーで、ちょっと日が経ったフグの切り身が、1パック500円で売っているのを見つけたので、今夜はテッチリと相成ったわけです。東京、それも練馬の田舎では、フグの食べ方を知る人も少ないようで、売れ残り、こんな捨て値で売られていたのでしょう。僕は関西人ゆえ、テッチリは年に何度も食べていましたので、鍋の作り方は心得がありまして、ラッキーとばかり、スーパーのフグを2パック買って帰ったのでした。
本場下関ではどうやるのか覚えていませんが、大阪では、出汁昆布を30分ほど入れておいた水から昆布を出して沸騰させ、そこにフグの切り身を全部入れてしまうと覚えました。そして煮立ったら、あとは野菜や豆腐を順次入れて、紅葉おろしや小ネギを加えたポン酢で戴くのがだいたいのやりかただと思っています。テッチリ屋で食べれば、前菜として、テッサ(フグの薄造り)や唐揚げ、皮の湯引きなどが出てくるのですが、仕入れがスーパーの切り身ですから、それは堪能できませんでした。しかしながら、テッチリは鍋の王様だと僕は思います。鍋好きで、いろいろ趣向を凝らしていろいろな鍋を食べるのですが、テッチリに勝る物はありません。特に、最後の雑炊がたまりません。最初から入れた切り身のカスが雑炊にまざり、野菜のエキスとアミノ酸が後味に残る、日本人なら喜びのあまり失禁しても良いくらいの美味しい雑炊を味わえます。
というわけで、テッチリと村尾。今日は東京に出て来てから、いままでで最高の食事をしました。
先日、どこかの新聞サイトで読みましたが、東北ではフグの人気がなく、テッチリを食べる習慣もないそうです。その理由は、鍋の出汁は北に行くほど濃くなるようで、テッチリのような淡白な味が東北では敬遠されるらしいです。そういえば、きりたんぽはおつゆの味が濃厚で、関西人の僕は苦手です。また、具として、魚と鶏が同居し、ご親切にもエビなど入っていたら、素材の味が台無しだと感じます。半殺しの米自体は、趣向豊かなのですから、それだけを焼いて食べたりした方が美味しそうです。海の幸をも具にするのに、比内鶏の出汁というのも節操がありません。同じことがチャンコ鍋にも言えます。元々、力士は北海道や東北出身が多かったので、あの味が良かったのだと思いますが、鍋としてはデリカシーの無いものになっています。残飯を味噌か醤油で煮込んでも同じことでしょう。
煮物と鍋は区別しなければなりません。土鍋を使ったとしても、豚汁は豚汁であり、豚味噌鍋にはなりませんから。
鍋は、メインの具はひとつだけ。例えば、白身魚ならそれだけ、豚肉ならそれだけ、というのが美味しく戴く秘訣です。エビだの貝だの混ぜた日には、メインの具がかわいそうです。鍋のやり方で、お里が知れると考えることは、失礼でしょうか。
焼酎ネタの方だけですが・・・
私も焼酎が大好きですが、最近、酒屋さんで芋焼酎がめっきり少なくなっています。奥さんが鹿児島出身の友人にこの話をすると、、、ナント、品薄!とのことらしいです。信じられませんでしたが・・・。
先日のNHK、(クローズアップ現代)を見て唖然!!!
大ブームとか。。現地では、すでに閉鎖されていた工場も再稼動を始め、予約がひっきりなし、、、さあ、今度は材料(イモ)不足、輸入にも限度があり、ナント、地元の土建屋さんがイモ作り!公共事業収入が減って、約30軒の土建屋さんがせっせとイモを作っているそーです。。。
専門の「業者」の手を経て定価の10倍くらいの値段になることもあるとか、、。ある小規模焼酎メーカーの社長さんが東京の販売店をまわって、自分の作った¥2,000の焼酎が¥15,000くらいで売られているのを見て嘆息。淋しい表情で自分の作った焼酎を¥15,000で、、、買っていました。
げに恐ろしい『ブーム』。早く去って欲しいものです。
私は、こちら(北陸)でも手に入れやすい「霧島」がメインです。「五代」「おはら」「伊佐錦」、、、流行りの黒麹よりは普通?の方が好きです。
幻の焼酎の味や如何に!!!
こちらではシンプルな「たら汁」がおいしいでっっす!
高橋様
僕も、10年来の焼酎党です。特に乙類芋しか飲みません。麦はウイスキーみたいですし、すぐに悪酔いしてしまいます。下町のナポレオン「いいちこ」には触手は伸びません。甕仕込み黒麹が好きです。
僕がハマるものは、少し経つとブームになるようです。焼酎やインターネットがそうなのですが、なぜかブルーグラスはブームにはなりません。困りました。
困ると言えば、仰るように焼酎の品不足と高騰は、うちの家計にとっては大問題です。僕が飲み始めた頃は、芋の地酒でも、一升瓶が今の四号瓶程度の値段で買えました。法律で多少値段が高くなったのはしかたないとしても、品不足でプレミアが付くのは納得できません。味の分からない人まで、ブームにのっかて品不足を巻き起こしているのですからね。DANCHUとかそういう雑誌のせいでしょうか。
実は、この7年ほどの間に飲んだ焼酎のラベルを一種類ずつ全部保存して有ります。そのうちにデータベースとしてWEBで公開しようと思っていますが、かなりの種類があります。東京ではもう売らなくなった銘柄とかあります。紫尾という銘柄ですが、倒産して雲海酒造に吸収され、銘柄は残されたようですが、雲海産の紫尾を見かけることは東京ではもうありません。とても美味しい焼酎だっただけに残念です。
霧島とかは、こちらでもスーパーで買えるので、ナイトキャップ用に紙パックを買ってあります。「五代」「おはら」「伊佐錦」は紙パックは見たことがありませんが、だいたい何処でも買えますね。昔ながらの「白波」もたまに飲むと、男らしい美味しい焼酎です。麦が有名な「田苑」の芋があります。音楽仕込みと謳ってあって、なかなかまろやかな美味しい焼酎です。これもスーパーでかえます。
うちで、常飲するなら「七夕」というとても安い地酒がありますので、見つけたらそれを買うことにしています。女性的な口当たりで、刺激が少ないです。
で、「村尾」ですが、3日も続けて飲んだら、他の銘柄は飲めなくなってしまいそうです。香りよく、舌に刺激無く、まったりとしていて、後口も上品で、たとえば霧島と較べたら、同じ乙類芋とは思えません。同様の感じに「伊佐美」や「薩摩茶屋」があります。後者は村尾酒造の普及品だったのですが、今は目にする機会が減りました。3年ほど前は2000円で買っていたのですが、風の噂では6000円で売っているとか。「伊佐美」も同様です。森伊蔵は、村尾に較べて、男性的でいくぶん尖っていると感じます。仲間の間では評価は低いです。どちらか一方と言われれば、村尾に軍配が上がります。
たら汁とは、どういうのですか?
・・・・今、たら汁等について書いたのですが、、操作ミスで消滅しました。
また、改めて、、、。